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18話 ページ19

「…クロに言われたから切ったの」


『いや、元から切るつもりだったからさ』


「そっか」


あれ、眉間のしわ戻ってる。今日はやけに質問が多いな。
というか、何で一瞬不機嫌だったのだろう。基本的に理由もなく怒る奴ではないはずだ。まぁ物理法則に理不尽にキレることもあるが、それも疲れている時くらいだ。寝て起きてすぐにそこまで体力は消耗しないだろう。


『なんか最近変なの』


「別に…変わんないし」


『あー! 今ちょっと考えた!』


不自然な間を問いつめると、研磨は、近頃増えてきた不適な笑みとは反対の自然な笑みを浮かべた。
昔みたいな、優しい目だ。懐かしい。なんとなくノスタルジーを感じていると、今度はからかうような表情に変わる。


「変じゃないよ、昔のまま。

Aも昔から変わんないよね、子供っぽいところとか」


『何それ!!』


前言撤回。優しくなんか無かった。
研磨は前より意地悪になってる気がする、と口を尖らせて愚痴を零す。


「かわいいところも」


『…

えっ?』


いきなりの言葉に、素っ頓狂な言葉が出る。なんて言った?


研磨が、研磨が。


__私を、かわいいって



「そういえば、言ってなかった」



あまりの出来事に処理が追いつかず、びっくりして立ち止まる。そんな私を追い越し、数歩先でこちらを見据える研磨。風に揺らされた金髪が、夏の太陽に吸い込まれそうだ。
ざわざわとさざめく木々の中、それだけははっきりと聞こえた。



「似合ってるよ」


『…なにそれ、待って』



前を向いて歩き始めた研磨を追い掛ける。
魔法、信じてみようかな。
青空の下、青い空気を吸い込んでそう呟いた。

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設定タグ:HQ! , 孤爪研磨   
作品ジャンル:アニメ
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ねぎ - Rioさん» コメントありがとうございます!嬉しいです、励みになります〜!! (2022年9月27日 23時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 今晩、凄く素敵な小説を見てびっくりしました!更新、楽しみにしてます!(/^_^) ( 初対面なのにゴメンナサイ!) (2022年9月24日 19時) (レス) @page16 id: 9824f121c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねぎ+ | 作成日時:2022年7月7日 21時

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