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17話 ページ18

『おはよう、研磨』


いつもの朝、いつもの家の前。
夏休みまで残り一週間を切った今日、いつもと違うことがただひとつ。


「…

Aが減った」


『減ったってなんだ』


そう。実は私、髪の毛をばっさりと切りました。
今まで肩甲骨が隠れるくらいの長さだった髪型を、肩につかないくらいのボブにチェンジ。元々切ろうとは思っていたが、部活や勉強でつい後回しにしていたためちょうどよかった。
「魔法をかける」なんて言われたものだから、何をされるか身構えていたのだが、どうやら考えすぎだったらしい。
予想の斜め上の発言をした研磨は、よっぽど驚いたのか、狐に化かされたような表情でこちらを見つめている。


『どうだい、似合うでしょ』


遅れておはようと返してきた研磨に歩きながら聞いてみる。が、正直期待はしていない。
研磨のことだ、あまり髪型に興味はないだろう。現に彼の目立つプリンヘアーは、特別こだわりがあるわけではない。ただ伸びただけだと本人が言っていた。


「いいんじゃない、涼しそう」


『だねぇ、結構涼しいよ』


やっぱり。見た目の問題じゃなく、機能性を重視した回答だ。
女心、分かってないなぁ。想像通りとはいえ、もやもやした気持ちと女子の影が感じられない答えにホッとする気持ちが混ざる。
線路沿いにいつもの道を歩く。夏の濃い風が、早朝の匂いを巻き上げて涼しくなった首元を撫でた。


「なんで切ったの」


『んー、クロがさ、私のボブ見たかったんだって』


まさかそのまま伝える訳には行かないので、適当な理由に使わせてもらった。魔法といえるほどの効果でもなかったので、これくらいは許されるだろう。
ほら、昔みたいに可愛く! ってさ、と付け加えると、何故か眉を寄せる研磨。
こういうときの表情は豊かなので分かりやすいが、原因は分からない。

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設定タグ:HQ! , 孤爪研磨   
作品ジャンル:アニメ
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ねぎ - Rioさん» コメントありがとうございます!嬉しいです、励みになります〜!! (2022年9月27日 23時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 今晩、凄く素敵な小説を見てびっくりしました!更新、楽しみにしてます!(/^_^) ( 初対面なのにゴメンナサイ!) (2022年9月24日 19時) (レス) @page16 id: 9824f121c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねぎ+ | 作成日時:2022年7月7日 21時

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