Reach for the sky【男主】

終わり ページ24

足首の手術を終え、リハビリの日々を過ごして、ようやくバレーができるほどにまで回復した。









跳べるだろうか。昔のように。









怪我が良くなっても不安は消えない。









以前所属していたチームは、自ら契約解除を申し出た。









2019年のオリンピックが終わって、正直、バレーへの執念の糸が切れてしまったからだ。









それでも引退はしたくなくて、リセットの意味を込めて無所属という形にした。









リハビリを重ねる中で、やっぱりバレーはやめてしまおうかと思った。









若い世代の方が力も技術も上回ってくるだろうから。









バレー界という広い視点で見れば、それはとても喜ばしいことだが、









1プレイヤーからしたら、それはとても厳しく、残酷なことなのだ。









“自分の色”というものはとても大事だが、埋もれてしまっては意味がない。









抜きん出るものがなければトップにはなれない。









それはどの世界線に立っても同じことだろう。









つらいよな。生き抜くってことは。

蜘蛛の糸→←時代

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す