空高く【男主】 (ページ2)

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始まりはなんとなくだった。

母が関さんのファンで、東京で行われたVリーグの試合観戦についていって、

試合を観た時にビビッときた。

自分もこの舞台に立ってみたい。

選手達と共に喜んだり悔しがったりしたい。

強くそう思い、中2の時にバスケ部からバレー部に転部した。

身長が低く、ヒョロヒョロだった俺を部員達は鬱陶しがった。

｢なんでお前みたいなやつが急にバレー部入ってきたんだよ｣

｢その身長と細さじゃ何もできねーよ｣

｢お前そんな体でバスケできてたのかよ(笑)｣

｢マネージャーの方がいいんじゃね？｣

転部したての頃は散々な言われようだった。

無名校ではあったけど、皆バレーが好きで勝ちたい気持ちは大きかったから、

途中で初心者の俺が入ることによって戦力を下げられるのが嫌だったのだろう。

こんな体の俺があんな速い球を取れるわけもないし、あんな強力なスパイクを打てるわけもない。