始末屋SixTONES～Ⅳ～ (ページ6)

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綿密に立てた作戦を決行する当日、私は婚約パーティー会場でぽつんと1人立っていた。

外面は澄ました顔をして壁際にいるものの、内心はバックバクで目が泳がないようにするのに必死だ。

早く戻ってきてくれないかな、

最初の予定では少しずつ荷物をコインロッカーに移し、それを私たちが回収。荷物が揃い次第夜中にでも逃げる作戦だった。

にもかかわらずこうして婚約パーティーなんかにいるのは、依頼人のお嬢様が耐えきれずに家を勝手に抜け出して見つかり、

その日から周囲を護衛でガチガチに固められて夜逃げできなくなってしまったからだ。

その連絡が本人が入ったときみんなで頭を抱えた。仕事の難易度がぐっと上がったから。

その分報酬金を上乗せしてもらい、なんとか気持ちを持ち直して、人に紛れて逃げやすい婚約パーティーの日を決行としたのだった。

それで、私の役割はパーティーの参加者のパートナーとして参加することだったんだけど、

“お嬢さん、お一人ですか？”

『いえ、連れを待っておりますので。』

“では、貴女のパートナーが戻るまで私とお話ししていただけませんか？”

会場に着くや否やお腹を壊してトイレに行ってしまったパートナーの所為で人生で初めてナンパというものをされてしまっている。

パーティー会場でナンパなんて言葉を使うのかは知らないけど。

お願いだから早く戻ってきて、！

ジ「お待たせ、ハニー。」