避ける理由〜DH〜 ページ21
*
「だ、大丈夫か?」
一瞬で、俺の腕をすり抜けて俺から離れたハニ。
そんなに嫌がらなくても(泣)
「なんだよ。何で逃げんの!?」
「それは!オッパが追いかけて来るから!」
「ハァ?それはお前が逃げるからだろ!!」
「え、いや、その!ミノが、お腹空いてるって言うから急いでて」
たとえミノがそう言ったって、いつものお前ならそんなこと絶対ない。
お前が俺を避ける理由。
あの曲のこと以外あるわけないじゃないか。
「嘘だろ?」
「え…?」
一瞬戸惑う表情のハニと距離を詰めて。
差し出した手のひらでハニの頬を強めに挟んだ。
「や…」
「他に、俺に会いたくないわけがあるんだろ?」
「べ、別に」
視線を合わそうと覗き込むのに、下を向いて合わそうとしない。
「ん?ハニ。俺に言うことがあるだろ?」
「…………」
両手の中のハニの頬が、柔らかくて滑らかで。
なんか、ドキドキしてしまうのはなぜだろう?
長くて濃い睫毛が揺れて、今にも涙が零れてしまうんじゃないかって思うほど
うるうるな瞳。
俺、なにやってんだ…?
でも、なんかしんないけど。
ほっぺたに手がくっついてしまったみたいに離せなくて。
「ヒョン。ごめんなさい…」
不意に、視線を上げたハニが、眉を下げてつぶやいた。
「何に対してのごめんなさいなんだ?」
「え、っと…あの、新曲…」
「どうせ、ヒチョリヒョンが押し切ったんだろ?」
「え…」
「わかってるって。ヒチョリヒョンは強引だからな」
「怒ってないの…?」
「怒ってない。って言ったら嘘になるけど…会社もそっちの方がいいって
納得したからヒョンに替えたってことだろうし。もういいよ」
「ヒョン…」
「でも、絶対次はないからな!?」
「う、うん……でもヒョン……」
「ん?」
「い、痛い……」
そのまま頬をぎゅーってしたら、ハニの口がムニってなって。
無理やり頭を振って逃げ出して、頬を摩って涙目になったハニ。
「痛いってば(泣)」
「ふん。俺だって結構ショックだったんだからな」
「だからごめんなさいって……」
「じゃあ、俺のいうこと聞けよ?」
「え?あ、ちょっと!」
俺はハニの手を引いて元来た道を戻った。
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さくらこ(プロフ) - まあさん» まあさん、初コメありがとうございます!絶妙だなんて(///△///) 自分ではもう、ない知恵振り絞ってる感じなんですが^^;2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね! (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ごんごんさん» ごんごんさん、コメントありがとうございます!そうなんですよね。ぶつければいいと思うんだけど…なかなか、うまくいくか…って感じです。2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね! (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。いつも絶妙な展開で楽しませて頂いてます(*^^*)これからのドンへの展開楽しみです(*^^*)さくらこさんのセンス大好きです!!! (2013年10月23日 0時) (レス) id: 9c0e6bd832 (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - ドンへさん自分の気持ちに気づいたならその気持ちをぶつけちゃって… いつも楽しみにしています^_^ これからの展開がとても気になります>_< (2013年10月23日 0時) (レス) id: 3fe715c8fc (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ミイさん» ミイちゃん、いつもコメントありがとう〜ドンへ、そろそろ気づかなきゃダメよね^^;ヒチョルも絡んで複雑…です^^; (2013年10月16日 23時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi*ku | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2013年10月3日 4時