にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ18)

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ゆり組のクリス…… ページ18

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「Let's party time。」

「かんぱーい。」

グラスとグラスがコツンと当たる音。舘様のいつものセリフを華麗にスルーして普通に乾杯する翔太くん。

そう、今日はゆり組で雑誌記事の撮影日。しかもおしゃれなバーでクリスマスデートをしている設定なんですよ。何というゆり組担歓喜な撮影なんでしょうか。

お互いのメンカラの小道具が随所に盛り込まれていて。カクテルだったり、プレゼントの包み紙だったり。スタッフさん分かってらっしゃる。

この撮影があることを知った阿部ちゃん、仕事なかったら撮影現場に潜り込んでるわ、と仕事が入ったことをちょっと悔しそうだった。

もちろん阿部ちゃんからゆり組さんのお写真を頼まれたのでそちらにも力入れてます！(頼まれてなくても撮るし阿部ちゃんに送りつける予定だったけど)

「おお、何から何まで赤青。」

「徹底してんね。」

「なんならAさんの服まで赤と青入ってるから。」

「あ、バレました？舘様さすがです。」

私の服も今日は赤と青が入るように考えてきましたからね！気づいてくれたのはやっぱり嬉しい。

翔太くんは「あ、ほんとだ」と言いながら手にしていたカクテルを一口。こちら撮影用なのでノンアルコールです。

「さてピアノでも。」

「涼太弾けるんだっけ？」

「なぬっ！？」

「翔太が涼太って言うからAさん反応しちゃったじゃん。」

「なぬって武士みたいなんだけどっ！」

翔太くん、表じゃ舘様のこと下の名前で呼ばないから、たまに聞くたびに無駄に反応しちゃう。

舘様が有名なあの曲を弾くと、翔太くんも混ざって連弾開始……かと思いきや、翔太くんは弾けないらしく、ある意味すごい音が響いて。

ただ音はともかく目から入る情報は最高のもの。本物のカメラマンさんの邪魔にならないようにオッケーが出たあとの気が抜けるであろうところを撮影。

すぐに撮影した写真を確認すれば、運良くふたりとも満面の笑み。

「よし早速送ろっと！……あ。」

ベストショットを阿部ちゃんにおすそ分けと言うことでメッセージアプリを開いて写真を送った。……んだけど。人を間違えた。取り消そうと思ったけど早速既読がついてしまう。

にかいどうたかしどういうこと?

A阿部ちゃんに送るつもりがにぃにに送ってしまいました。
誠に申し訳ございません。

にかいどうたかしこれ阿部ちゃんに送んのかよ!