にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ11)

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緑さんの気付き① ページ11

sideにかいどう

「阿部ちゃんじゃん。おつかれ。」

「あっ二階堂くん。お疲れ様です。」

事務所の自販機コーナーで何か買おうかなっと行ってみたら、SnowManの阿部ちゃんがどれを買おうか悩んでいた。昔からかわいいなって思ってたから思わず声をかける。

今じゃAがマネージャーしてるんだよな、SnowManの。

……オレとAが兄妹だということ、最初に気づかれる？バレる？としたら、阿部ちゃんかなって思ってたんだよね。実際は宮舘にバレちゃったけど。

なぜかというと、Aと阿部ちゃん、お互い学生時代に会ってるから。まあガッツリってわけじゃなく顔見て挨拶した程度だけど。

なんてったって、オレとAの実家に泊まりに来たからね、阿部ちゃん。

そのときは挨拶したあと特に表情変わるでもなく妹さんいたんですねーとか、阿部ちゃんと同い年だよって言ってみればそうなんですか？ってほんとそれだけ。

そこまで興味なさげだったから、オレとしてはさすが阿部ちゃん！ってなってた。だからこそ泊めたんだけど。

「そういえば二階堂くんの妹さんって、オレと同い年でAちゃんって名前でしたよね？」

「ま、まあそうだけど？」

……ん？その質問の意図は何？突如ぶっこまれる妹の話。思わず返答する時に詰まってしまった。怪しまれるかな……？

「なんか偶然だなーって思って。SnowManのマネージャーの名前もAちゃんだし同い年で。」

「……ああ、言われてみれば。」

怖いって！これどういう意図？秘密はお見通しだ、あきらめて真実話せ的なやつ？

阿部ちゃんかわいいって思ってたけど、やっぱり頭脳明晰なだけあるな。笑顔なのが逆に怖い。

「あとからメールしますね！失礼します！」

「分かった。」

これ、絶対気付いたやつじゃん！何年も前に一瞬会っただけなのに。いてもたってもいられなくて、Aに阿部ちゃんが気付いたかもと連絡する。

割とすぐに既読がついて、ポロったの？と返ってきた。

そこはもちろん否定させてもらって、帰ったら話すと返し、スマホをしまう。本来の目的である飲み物を買って、自販機コーナーを去った。