にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ41)

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京都ロケ① ページ41

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秋の京都！修学旅行の気分だけど、今日はお仕事だ。……とは言っても、笑いの絶えない現場なのはロケメンバーからして確定だろう。

「どうもー。相席スタートの山添ですー。」

「おはようございます。宮舘のマネージャーの藤堂です。」

今回のロケはあの朝の番組のもの。ロケ名に山添さんと舘様のお名前が入っている。いわゆる冠コーナーなんですね。

そこにニッポンの社長のおふたりも加わってロケをするんだけど。

私はスタッフさんにまぎれて4人のやり取りを見ているだけ(もちろん舘様のお手伝いはしてるけど)なのでかなり楽しい。

「Aさんって京都に来たことは？」

「数年前に。人力車に乗ったりはないですけど。」

撮影の合間の移動時間は舘様のお隣に座らせていただけるという扱いに恐れ多くなるけれど、でもホッとしているのは確かで。

前の席の山添さんやニッ社のおふたりとも楽しそうに会話している舘様を見るだけでも癒やしがもらえた。竹林の小径と同じようにマイナスイオンが出てるな、舘様。

「なんか前会った時より仲良くなってへん？ふたり。」

「そうですか？」

「うん。なんか笑顔が自然というかなぁ。」

深い意味はないんだろうけど、ちょっとドキッとする言い方なんですけど、山添さん……！実際、舘様だけは私の兄のことを知ってるから少し力が抜けるっていうのはあるんだけれども。

私から何か言うのはと思い、舘様におまかせすることにした。

「そうですねぇ。ちょっと一つ条約を取り交わしたのでそれが大きいのかな？」

「条約って。そこら辺も王国か貴族か意識してるんや……。」

条約……兄のことは秘密にってやつか。そこで条約が出てくるのは本当にロイヤルだ。優雅に(ペットボトルの)紅茶を飲む姿もさまになってるし。

条約について聞かれたときは「ひ・み・つ」と、当たり前のことをゆっくり言うことで笑いにつなげる、いつものあれで車内は笑い声に包まれて。

気付けば次の目的地である映画村に着いていた。そして車から降りるとき。

「どうぞ、お手を。」

「えっと……？」

「馬車じゃないねんから！」

先に降りていた舘様がなぜか手を差し出して待っていて。それに気付いた山添さんからさっそくツッコミが入る。……私相手にやっても意味ないぞ！

ツッコミが入っても辞める気配はなかったのでおとなしくお手を拝借しました。ちょっとドキッとしました。(夏休みの日記か)