にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ31)

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波乱の93年会② ページ31

sideあべ

オレがAちゃんに肩をとんとんされて起きたあと。ひかるも同じように肩をとんとんされてたんだけど、なかなか起きない。ということで片肩から両肩にパワーアップしたAちゃん。

まだまだ寝ぼけ眼をこすっているとき、事件は起きた。

「んー……。」

ひかるはその声のあと、Aちゃんをギュッと抱きしめてしまった。

さすがのオレもその光景を見た瞬間に目がしゃきっと覚めて、ひかるの腕を開いてAちゃんを救出。

当のひかるはその強引な腕の動きでようやく目が覚めたらしく、すぐ近くにいたAちゃんに相当びっくりしていて。

「え、なんで……。」

「寝ぼけてAさん抱きしめてたよ？」

舘様が状況を説明すれば、お酒のせいで少し赤らんでいた顔が更に赤くなる。筋肉さんでも照れるとかわいーねー。

Aちゃんは寝ぼけていたことが分かっていたからか、ビックリしましたよと言ったものの、顔色は変わっていなかった。キスマイ兄さんで慣れてるだけあるってやつかな？

「ほんとごめん！寝ぼけてたとはいえとんだ失態を……。」

「大丈夫ですよ、減るものは何もないので！」

笑顔でそんなふうに言われると、違う意味でグッとくるなぁ。あなたのことはそんなふうに見てないから、そう言われているような気がするよね。

ひかるもちょっとショック受けたっぽい顔。これ、いつだかの藤ヶ谷くんと横尾くんの謎の撮影会の時もあったよね。

あは、そうだ。ここは酔ってるふりしてお願いしてみるのもありかもね。

「ねえ、オレもギュッてしていい？」

「それならオレも。」

「ふふー。いいですよー。」

舘様も便乗してきたのはちょっと意外。そうだよね、ひかるもオレもハグするのに自分だけなしって嫌だよね。

それにしてもあんまり酔ってないのかなと思ってたけど、Aちゃん意外と酔ってる？まさかの即答でオッケーだし。

そしてなんの躊躇いもなくAちゃんの方からギュッて抱きしめてきた。

……逆じゃん。

そう思う頃には今度は舘様に抱きついていて。さらっと漂う匂いは、Aちゃんと、そして先ほど抱きしめられていたひかるの匂いがして、ちょっと複雑。

そういう意味では舘様、3人の匂いがしてもっと複雑かなぁ？

「今日のことは93年会だけの秘密ですよ？」

ひかると舘様の見てるだけでもムッてきたのに、他の人とのなんてみたくない。もちろん大きく頷いたよね。