君の声から始まった① (ページ13)

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クイズ企画① ページ13

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阿部さんからクイズ企画についてのメッセージが来てから1週間ほど。ついにその企画の収録日。

ジャニーズ事務所には何回も来ているけれど、何かを撮影したり練習スペースがあるようなフロアは初めてだ。

いつもの入館許可証では入れないフロアなので、貸し出してもらった許可証をぶら下げ、Snow Manのマネージャーである弟・楓汰の後ろを付いて行く。

「もし喋らなくいけなくなったら低い声でよろ。」

「了解。それは特技なんで。」

弟の声真似に関しては替え玉でレッスン受けてたときから常にやってきたのでそこは無駄に自信ある。もはやクイズより自信あるかもしれない。

「はーい、プラスワンゲスト連れてきましたー。」

「およ？フータのお姉さん！」

YouTubeの収録部屋に入ると、既に撮影スタッフさんとSnow Manさんがいて。

佐久間さんの反応からすると、私がクイズに参加することを知らなかったらしい。それは他のメンバーも同じで、どうやら阿部さんと弟が内緒にしていたらしい。

みなさんによろしくお願いします、と挨拶して、手渡された黒子の服を身につける。身体のラインが出ないようにポンチョみたいな形で、頭だけはしっかり黒子。

そして呼び名は「黒子ちゃん」らしい。普段の弟の呼ばれ方「クロミちゃん」に似ている。

「今日はよろしくお願いします。チーム分けはくじ引きなので、一緒のチームになれることを願ってます！」

「はい、よろしくお願いします。」

今日の主催者阿部さんが始まる直前に声をかけてくれた。黒子装備のおかげで私の表情は見えていないと思うけれど、さっきめっちゃかわいかったからニヤけてた。すまん、私かわいいもの好きなんだ……。

そしてついに撮影スタッフからの声掛け。クイズパートからこっそり座ってればいいやと思っていたのに、普通にオープニングも出なきゃいけないらしい。そりゃそうか、突然黒子が席に座ってたら驚くしね。