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今から行くけど、着いたら連絡するから外まで出てきて。
そうキムソクジンから連絡があったのは梅雨時期のじめじめとしたある夜だった。
私の苦しさが限界に達する頃を見計らったように連絡がくるのには なかなか慣れることができない。
それにしてもいつもと違う要求をしてくる彼を訝しみながらも
YESと答え、いつも通り身支度をする。
明日は平日だ。特に変わったことが起きるとは思っていなかったところに来てあのメッセージだ。
変な胸騒ぎを感じながら、私はそっとドレッサーの引き出しから 渡すことも、真意を聞くことも出来なかったジッポライターを取り出しポケットに忍ばせた。
着いたよ、出てきて
キムソクジンからのメッセージを受け、サンダルでは無い靴を履き表に出た。
ドアの前には彼はおらず、念の為玄関の鍵を閉めてアパートの外まで出てみると、そこには一台のセダン車がハザードをチカチカと焚きながら止まっていた。
運転席の窓が少し開き、そこから見知った顔が覗く。
｢こっち｣
キムソクジンが煙草を咥えながら手招きをする。
雨がしとしとと降っている。
小走りで車に近寄ると 助手席乗って と隣の席を指さす。聞きたいことが山ほどあったが、言われた通りに車に乗り込むと、彼はにやにやと笑う。
｢車、持ってたの？｣
｢んーん、買ったの｣
免許を持っていることは知っていたし、独り立ちしてからキムソクジンが社用車を運転していたことも知っていたのだが、一緒に行動していた頃は基本私が運転していたのもあり こうして彼が運転する車の助手席に乗っているのが不思議でならなかった。
｢かっこいいでしょ｣
｢セダンだなんて、趣味が悪いよ｣
｢これが渋くていいんだよ
Aさんはわかってないな｣
始終にこにこと煙草をくゆらせるキムソクジンは いつもより幼く まるで少年のように見えた。
｢ドライブでも行こうと思って｣
｢隣は私で良かったの？｣
｢はは、どうして？｣
こうやって上手くかわすのがキムソクジンだ。
返事をすること無く車はゆっくりと走り出す。
平日の夜、小雨の中を歩く人もおらず 車高の低いセダン車だけが別の世界に迷い込んだようだった。
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K(プロフ) - sunnyさん» コメントありがとうございます！ジンくん目線！凄くいいですね。整理が着いたら書いてみたいと思います！本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2021年10月15日 20時) (
レス) id: 2712528a63 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - すごいどストライクの作品で大好きです💜！この作品のジンくん目線？の内容もすごい気になります！これからも大変かと思いますがお話頑張ってください！！ (2021年10月15日 18時) (レス) @page37 id: 5ee4f4580f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - びぃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。こんな最低の男にしてしまって申し訳ないですが気に入っていただけて良かったです！ (2021年10月11日 18時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
びぃん(プロフ) - いやめちゃくちゃ好きです何だこれは……すっごい昂りましたありがとうございます神様仏様K様…… (2021年10月11日 18時) (レス) @page37 id: 57661bab90 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほまさん» コメントありがとうございます！激アツ、凄く嬉しいです！風景を思い描いていただけて良かったです。これからも少しずつですが書き進めていこうと思いますのでまたご覧頂ければ幸いです。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2021年10月2日 19時
