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カラリとグラスの中で氷が鳴る。
先輩だから、年上だから、と言い合い 結局ご馳走になった2杯目のコーヒーは
先程キムソクジンがくれた微糖のそれではなくブラックだった。
元より私はブラック派だ。
ちらりと彼のグラスを見ると、私の真っ黒の液体より大分白みがかっている。
彼の好みは私とは違うようだ。
｢水分はたくさん摂って悪いことないですから｣
キムソクジンはそう言うと気持ちのいいほど一息でグラスのコーヒーを半分ほど飲み干した。
｢この後、会社に戻ってから出ますか？｣
｢いや、今日はもう出ないよ｣
金曜日はなるべく早く帰りたかった。特別用事などないが、なんとなく普通はそうだろうという在り来りな考えの元だ。
｢週末用事でもあるんですか？｣
痛い所を的確に突くように聞いてくる彼に、少しじっとりとした目線を向けながら
｢特にないよ
ソクジンさんは？｣
と答えると、キムソクジンはへらへらと笑いながら
まぁ。と言う。
彼が会社に入社してから数週間。
既に噂は尾ひれをつけるほど大きくなっている。
誰々とご飯に行ったそうだよ
いやいや、誰々と飲みに行ったらしいよ
違うよ 誰々と寝たって聞いたよ
そんな話が毎日のように舞い込む。真相など誰も知りはしないだろうが、何故か信憑性を孕んでいるその噂たちは 日々の退屈な仕事の糧となりむくむくとその体積を広げているかのようだった。
面白がっている人もいれば、その噂によって心を痛めている純粋無垢な人間もきっと思うより多くいるのだろうとぼんやり感じながら、自分がその一人でなくて良かったと安心したりした。
｢お忙しいんですね｣
敢えて敬語で突っかかるように言い放つが、暖簾に腕押し キムソクジンはいつもの飄々とした態度で
｢Aさんほどでは｣
とのたまう。
私が？こんな中の中の女 週末は缶ビールを片手にお気に入りの海外ドラマでも見ようとしている私が。
｢有り得ないよ｣
つまらない女だよ、と付け加えるとへぇ、と漏らしながら面白そうなものを眺めるような顔をしたキムソクジンの目がぎらりと光ったように見えた。
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K(プロフ) - sunnyさん» コメントありがとうございます！ジンくん目線！凄くいいですね。整理が着いたら書いてみたいと思います！本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2021年10月15日 20時) (
レス) id: 2712528a63 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - すごいどストライクの作品で大好きです💜！この作品のジンくん目線？の内容もすごい気になります！これからも大変かと思いますがお話頑張ってください！！ (2021年10月15日 18時) (レス) @page37 id: 5ee4f4580f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - びぃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。こんな最低の男にしてしまって申し訳ないですが気に入っていただけて良かったです！ (2021年10月11日 18時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
びぃん(プロフ) - いやめちゃくちゃ好きです何だこれは……すっごい昂りましたありがとうございます神様仏様K様…… (2021年10月11日 18時) (レス) @page37 id: 57661bab90 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほまさん» コメントありがとうございます！激アツ、凄く嬉しいです！風景を思い描いていただけて良かったです。これからも少しずつですが書き進めていこうと思いますのでまたご覧頂ければ幸いです。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2021年10月2日 19時
