輝く銀杏の葉と霊能者 ページ38
*
『あっ、すみません!私ったら…!』
パッと手を離し 2、3歩後ろに下がる彼女。
すると 生えていた銀杏の木に頭をぶつけた。
ヒラヒラと落ちる金色に輝く銀杏の葉は
そのまま雨森さんの頭の上に着地した。
『わ、綺麗…!』
目を輝かせ 上を見上げる。
つられて俺も見あげれば 小人のようなモノを見つけた。
彼女も気付いたのか、手を振れば小人も手を振り返す。
『ふふ、優しい子ですね。却説 お時間取っちゃってすみません』
「大丈夫ですよ。さ、行きましょう」
歩きながら様々なことを話す。
異世界から来たと思われる人だが、同じ人間。
そして 同じ能力を持つ彼女と話す事は 共感できるものが多かった。
*******
雨森 side
『嗚呼、そう。なとりさん。どんな人なの?』
私が聞くと、嫌そうに顔を顰める夏目君。
どんだけ嫌なの。
「……正直に言えば、変人です」
『わぁお』
彼が言うには、『名取周一』という男だそう。
売り出し中の人気俳優で、変人だとか。
そして 皮膚にヤモリ型の痣があり、身体中を動き回るそう。
『(与謝野さんが喜びそう)』
そんな事を思った。
『夏目君は、名取さんの事をどう思ってるの?』
「力も知識もあって凄いとは思います。意外と優しかったりもしますし…けど、正直うざったい所はありますね」
複雑そうな顔で答える。
何をしたんだ、名取さん。
すると、河川敷から歓声が聞こえた。
いや、黄色い悲鳴と言った方が良いのだろうか。
夏目君はハァ、と深く溜息を吐く。
「あの人が名取さんです」
指をさした先には 女性に囲まれる男性の姿。
『確かに俳優さんみたいですね、顔も整ってますし』
みたい、じゃなくて 俳優なのか。
名取さんも気付いたようで こちらへ手を振って駆け寄ってくる。
夏目君の顔はとても引き攣り、硬直していた。
「やぁ、夏目。この女性は彼女かい?」
「違いますよ」
照れること無くキッパリと否定される。
恋人では無いが、ここ迄即答だと少し悲しい。
「話は他の所で。人が多すぎます」
「嗚呼、丁度撮影も終わったしいいよ」
キラリ、と笑顔で私たちを見る。
何故だろうか……既知感が……
「ごめんね、目立ってしまって」
「自覚はあるんですね」
分かった、あの包帯上司と似てるんだ。
名取さんは無駄な煌めきを纏い、私たちに微笑んだ。
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月瀬(プロフ) - 魔異さん» リクエスト ありがとうございます!ぜひ書かせていただきます (2019年10月13日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
魔異 - こんにちはです=(^.^)= リクエストです 幼女化するか猫耳メイドになって欲しいです これからも頑張れ頑張れ(*゚▽゚*) (2019年10月13日 17時) (レス) id: b37b6d06e3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 大阪さん» 分かりました!文ストキャラが夏目の世界に行く感じで良いですか? (2019年9月28日 8時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - 夏目友人帳とかの、妖怪が出てくる話とのコラボ、お願いします! (2019年9月28日 8時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - ソラさん» リクエスト ありがとぉぉおおお! (2019年9月24日 20時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まふ | 作成日時:2019年6月29日 20時