好きになっても良いですか？2（赤） (ページ2)

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「橋本さん！まじでうまかったっす！」

大毅くんがキッチンに向かったそう伝えると、橋本さんがテーブルまでやってくる

「そりゃ良かった

今デザートとコーヒー出すから」

そう言うと、食べ終えたお皿を下げてくれた。

「ちょっとトイレ」

大毅くんが席を立つとすぐ、デザート用のシルバーやコーヒー用のミルクや砂糖の準備がされていく

「そんなじっと手元を見られてると緊張するな」

はっとして橋本さんを見ると緊張する様子もなく笑っている

『すみません。食器とかも1つ1つ可愛いなぁと思って』

「それは嬉しいなぁ。結構こだわったから

この店が移転して初めて重岡くんが来てくれた時にもすごく褒めてくれてさ」

昔を思い出すように微笑む姿は本当に嬉しそうで、私まで幸せな気持ちになれる

「いつか大切な人ができたら絶対ここに連れてくるって約束だったから。

重岡くんが連れてきたのがAちゃんみたいな良い子で俺も嬉しいよ」

『...大切な人？』

「そ、彼女なんでしょ？」

『ちっ、違います！私なんか...』

“彼女”という言葉に顔が一気に熱くなる

「あれ、余計なこと言っちゃったかな？

けど、少なくとも重岡くんは君のこと大切に思ってるんだと思うよ」

にっこり微笑んだ後、デザート持ってくるねとキッチン戻っていく橋本さん

入れ替わりで大毅くんが戻ってくる

「...顔めっちゃ赤いで？？」

覗き込まれると余計に恥ずかしくて目をそらす

デザートを持ってきてくれた橋本さんに、「俺がいない間に口説いたやろー！」と言うと「さぁ...どうだろうね？」大人の余裕で返される

そんな大毅くんが可愛くてくすっと笑うと、「笑うなや！」とちょっと怒られた

「少なくともAちゃんの心は乱せたかな？」

『はっ...橋本さん！』

橋本さんはものすごく楽しそうに笑っている

「あれだけ顔が真っ赤になったってことは、Aちゃんも同じ気持ちってことでいいよね」

コーヒーを注いだあと、そんな意味深な言葉を残してまたキッチンへと戻ってしまった