占ツク学園文芸誌【8】 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:2,400 hit

瓶詰の手紙/ページ4/マシュマロ少佐ページ8

話の続きだけど、僕の祖母はとても厳格な人だった。

だった。じゃないか「だ。」か。

だから僕は祖母が苦手だった。

でも僕が6年生のとき、

「お前は勉強が大層できるそうだが、学ぶことは好きか？」

と聞かれた。

僕は聞いたとき、わけがわからなかったが、「はい。」とだけ答えた。

すると祖母は目を細めて、

「そうか。ならばよかった」

と目を細めた。

今度は僕が

「何故こんな質問を？」

と聞いた。

祖母は

「いやなに、お前の両親がしきりにお前の自慢をしてきてな。

そのときの顔が自分の息子を誇る笑顔ではなく、自分がしたことを誇る笑顔だったものだからな。

お前の地頭がよいから無理矢理勉強をさせ、自分らを大きくみせる道具にしているのではないかと思ってな。

好きなら良い」

と無表情で言った。

僕は面食らった。

そして嬉しかった。

初めて自分を理解してくれた。

その喜びは今でも忘れない。

そう。祖母は僕の数少ない理解者の一人だ。

だから好きなんだ。

人間的に…ね。

じゃあ次はもう一人の理解者について話そうか。