不器用.22 ページ22
貴「…よしっ」
泣いてばかりいても仕方ない
そう思って赤くなった目を少し冷やして
メイクをして服を着替えた
気分転換にお出かけしよう
美術館でイベントがやってて
前から少し気になってた
期間限定だし時間のあるうちに行きたい
カバンに必要なものを入れて家から出た
事前に呼んでおいたタクシーに身を預けて
20分程度かけてそこを向かう
静かなところで綺麗なものに触れると
心が浄化されて落ち着く
だから美術館が好き
春くんから無駄に多く貰っているお金で
タクシー代を払いチケットを買って中に入る
誰も何も会話を必要としなくて
……居心地が…
蘭「あれー？Aチャンだー」
貴「は、灰谷さん…」
…一気に治安が悪くなったように感じる…
蘭「蘭でいいって言ったのに」
貴「もう少し声のトーンを…」
少々気を使ってもらいたい…
貴「蘭、さん…？はどうしてここに…」
蘭「次のターゲットがここなの」
声を潜めて私の耳元に唇を寄せた
…そっか、お仕事のお話は聞かれたらダメだもんね
貴「なるほど…下見ですか？」
蘭「あれ、顔近づけたのに動揺しないね」
俺、顔いいからみんな喜ぶんだけど…って笑う
貴「残念ながら私には春千夜さんだけなので」
冗談っぽく言って笑えば
彼は驚いた顔をした
蘭「へぇ…Aちゃんって笑うんだね。俺が見るときいつも困り顔だったのに」
貴「そりゃあ笑いますよ。困り顔なのは蘭さんの所為じゃないですかね…？」
女性に慣れてるってすぐに分かるもん
グイグイ来られるのも初めてだから
単純に反応が出来なくて
困り顔になってるんだと思う
蘭「あはっ、俺の所為？じゃあ折角だからもっと困らせちゃう。Aちゃん今から回るでしょ？」
貴「そうですよ。今来たばかりなので」
そう言えば蘭さんは笑って私の手を取る
蘭「一緒に回ってよ。邪魔したりしないからさ？俺一人だと浮いちゃって下見できないから」
貴「…下見ですよね？私と回ってて大丈夫ですか？」
そんな暇あるのかな？
蘭「俺の仕事が遅れると三途に回されるよー？」
貴「……わかりました」
春くんのお仕事が増えるのは困る
ただでさえ疲れてるだろうから
首領さん直属の部下だもん
優秀ってことだからお仕事も多くなる
蘭「三途のこと大好きじゃん」
貴「勿論です。あ、春千夜さんには内緒ですよ」
確実に迷惑だから
死ぬまで伝える気はない
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咲良(プロフ) - Yさんさん» 何回も読んでいただけていることに感激です……嬉しいコメントありがとうございます！ (1月1日 17時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
Yさん(プロフ) - ホンマにこれって何回読んでも神すぎて好きです♡不朽の名作ってやつ！？好きーっ♡ (12月29日 22時) (レス) @page41 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なるせさん» ありがとうございます！場地さん最後になっちゃいました…他の作品が完結したらすぐ書き始めるのでお待ちください…！ (2021年12月17日 0時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ - んんんん好きです!!んと場地さんのが見たいです!!順番最初だと嬉しいなあ、、!? (2021年12月16日 22時) (レス) @page37 id: 875c8ad43b (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - おふとんさん» ありがとうございます！勢いがすごい！笑 (2021年12月12日 23時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年11月12日 17時
