不器用.3 ページ3
貴「どうしよう…」
私は今、すごく困ってる
貴「ないと…困るよね…」
手元にはスマホが2つ
白い方が私のもので…
じゃあこの黒いスマホは、と聞かれれば
間違いなく春くんのである
スマホを忘れて行っちゃうなんて
意外とおっちょこちょいなのね…
そんな所も可愛い…
…ってそんなこと思ってる場合じゃない
現代社会でスマホなんて必須だ
お仕事の連絡も入るだろうし…
…職場まで持っていく…？
怒られたり…しないかな…？
でもこの政略結婚はそもそも
私の親が経営してる会社と
梵天の首領さんとの利益交渉だ
…勿論、公にはもっと違う目的を提示してるけど
期限は1年ほどだって首領さんから聞いた
それまで私は利益に必要な存在なので
殺されるようなことはないだろう
貴「…いこう」
早速パジャマから着替えて
メイクを施してタクシーを家の前まで呼んだ
春くんに「移動はタクシーで」って
義務付けられている(？)
なんでだろう…
理由は分からないけど
春くんにそう言われているので守ってる
ゴミ出しとかコンビニは流石に歩きで…
移動時間10秒のためにタクシー呼べないよ…
梵天のアジトには1度行ったことがある
首領さんと契約を交わしたときだ
小柄で白髪の男性だった
春くんが王と呼んで忠誠を誓っている相手
幼い頃からの付き合いらしい
…きっと昔の春くんもかっこいいんだろうな…
「到着しましたよ」
貴「あ、ありがとうございます」
代金を払ってタクシーを降りる
アジトの目の前まで乗せてもらうのは
…ちょっと問題があると思ったから
少しだけ違うところにお願いした
貴「あ…あそこだ…」
見えてきた…
…めちゃくちゃ警備員っぽい人いる…
入れて貰えないかな…
春くんに連絡したら気づくかな…？
…って、スマホここにあるんだった…
どうしよう…
…行くしかないよね…うん
貴「あの…」
「あ？なんだお前？」
貴「えっと…三途さんの…」
「なんでてめぇが三途様を知ってやがる」
貴「…っ！」
最後まで言い切る前に遮られる
「おい、答えろや」
貴「……っ、」
怖い…怖い、怖い
…来なければよかった…
だって…来ても冷たくされるだけだし…
もしかしたら仕事中に来るな、って怒られるかも…
視界が涙でぼやけてきた…
泣いちゃ、だめ…
そう思うほどに恐怖心が増していく
その時だった
「何騒いでんのー？」
「兄貴、女の人いる」
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咲良(プロフ) - Yさんさん» 何回も読んでいただけていることに感激です……嬉しいコメントありがとうございます！ (1月1日 17時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
Yさん(プロフ) - ホンマにこれって何回読んでも神すぎて好きです♡不朽の名作ってやつ！？好きーっ♡ (12月29日 22時) (レス) @page41 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なるせさん» ありがとうございます！場地さん最後になっちゃいました…他の作品が完結したらすぐ書き始めるのでお待ちください…！ (2021年12月17日 0時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ - んんんん好きです!!んと場地さんのが見たいです!!順番最初だと嬉しいなあ、、!? (2021年12月16日 22時) (レス) @page37 id: 875c8ad43b (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - おふとんさん» ありがとうございます！勢いがすごい！笑 (2021年12月12日 23時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年11月12日 17時
