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「っ…え…？」
「目が覚めたか」
「ゆん、ぎ…？」
「病院だ」
目を覚ましたAは戸惑う。真っ白な空間。見慣れない部屋だった。ユンギの声が聞こえ、そちらを向けば呆れた顔をしてAを見ていた。
「病院…？もしかして」
「ああ。倒れたんだよ」
「いつ？テヒョンは…？」
「テヒョンと別れて、お前のマンションに戻る途中だ。そのまま病院に運んだ」
「そう、だったんだ…」
ユンギから事情を聞き、Aはふーっと一息つく。そんなAを見てユンギはそっと頭を撫でる。
「丸2日寝てた。寝不足と過労だとよ」
「そっか…」
「まあ無理もないか。ずっと気を引き締めて生活してたんだろ。それが解決して気が緩んで、そのまま今までの心労がたたって意識飛ばしたんだろうよ」
「そう、だね。今はすっきりしてる」
「どうせまともに寝てなかったんだろ。仕事も忙しくしてたみたいだし」
「だって…」
「だってじゃない。仕事が楽しいのはいいけど、ちゃんと休め」
「ユンギだって作業部屋にこもってるくせに…」
ムスッとして言うAにユンギは鼻で笑う。
「俺はAと違って倒れないからいいんだよ」
「わたしだってちょっと気を緩めちゃっただけだもん。もう大丈夫だよ」
「本当だろうな。今回はいろいろ重なったからしかたないかもしれないけど、今後はしっかり休めよ。過労で倒れるんじゃねぇ」
「はーい、お兄様」
「茶化すな」
そう言って2人で笑い合う。久しぶりにAは心から笑った気がした。ずっとずっと苦しくて辛い毎日だった。仕事は忙しかったが、その仕事が息抜きだった。
ようやく肩の荷が下りてAはホッと一息つくことができた。
「あーあ。仕事2日も休んじゃった」
「いいんじゃねぇのたまには。ほとんど休んでなかったんだろ」
「そうだけど…申し訳ないな。みんな忙しいのに」
「…うちの事務所への俺の推薦通ったから。もう今の会社は関係ないだろ」
「そうなの？」
「ああ。全部終わったら話そうと思ってた」
「良かった！これでユンギのスタイリストになれるね」
「ああ、よろしく頼むぜ。専属スタイリストさんよ」
「こちらこそよろしくお願いします、シュガさん」
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
