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「いっそうのこと正反対だったら良かったのに…似すぎてるから、そういった差が目立って、はっきりと違うんだって思い知らされるんだよね」
「Aヌナ…」
再びぐっとカップを煽る。そんなヌナを見ていて不安になって、再び注ごうとしているソジュを奪う。
「ヌナ、もう止めた方がいいんじゃない？」
「大丈夫、まだ酔ってないから」
「酔ってるよ。いつもと違うよ。明日も仕事でしょ？もう止めよう」
「テヒョナ」
ジッと顔を見られて名前を呼ばれるからドキッとして、手の力が緩む。その隙をついてヌナは瓶を奪い、再び注ぐ。
ズルい。本当にヌナはズルい。酒を飲みたいからっていう理由でもそんな目で見られたら気持ちが昂る。
でもそんな気持ちをぶつけることができないからどうしようもできなくて。本当にズルい人だね、Aヌナは。分かってやってないところが達が悪い。
ドンっ…
そんな音がしたと思ってハッとしてヌナを見れば、そのまま頭を机に突っ伏していた。
「え…？ヌナ？」
声をかけても反応がない。恐る恐る揺らして見ても、起き上ることはない。そして聞こえてくる静かな寝息。
「うそ、寝ちゃったの？」
ヌナが酔って寝ちゃうところなんて初めて見た。そんなに飲んだの？って思うけど、たくさん飲んではいたか。
自分が酒を飲めないから分からないけど、それなりに飲んでいた。でもユンギヒョンとか酒に強いメンバーもそうやっていっぱい飲むし、ヌナだって弱くないしむしろ強いから大丈夫かと思ってた。
どうしよう。なんだか話も中途半端で気になるし。何よりヌナが悲しそうな顔していたことが俺は辛い。ヌナはいつでも笑顔でいて欲しいから。その笑顔が消えないように守りたいって思うから。
なのにそのまま酔って寝ちゃうなんて。それぐらい飲まなければやってられないほどのことなのだろうか。ユンギヒョンのことなのに。ヌナが辛いっていうのがまた意味が分からなかった。
しかし今はそれより寝てしまったヌナをどうするかだ。
「ヌナ、起きて。帰ろう」
再び声をかけても、肩を揺らしてもヌナが眠りから覚めることはなかった。
「ヌナ、ちゅーしちゃうよ」
そんなことを言ってももちろん起きない。本気でしようかと思ったけど、流石に止めた。でも寝顔は幸せそうだったから。意識がなくなる前の悲しそうな顔じゃないからいいかって思う。
ヌナの艶のある真っ赤に染まった髪を撫で、俺はユンギヒョンに連絡を入れた。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
