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「俺…ヒョン達みたいに格好いい男になりたい」
「えっと…テヒョンは十分格好いいと思うけど？」
「顔じゃなくて」
「顔は自覚あるのかよ。や、俺より格好いいけど」
何か相変わらずズレたことを言っているナムヒョンに笑えてくる。ナムヒョンってしっかりしてるのに、こういうところ鈍いっていうか。
「顔とかじゃなくて、人間として！格好いい男になりたいの」
「俺はテヒョンだって十分格好いい男だと思ってるけど。お前は感受性豊かだから人の痛みに敏感だし、だからこそ優しいし。まあ変な時もあって理解できない時もあるけど」
当たり前のように真っ直ぐにそう言えるナムヒョンがやっぱり格好いいと思った。
「そういうところがヒョンは格好いいんだよ」
「そうやって素直に言葉に出せるテヒョンも十分格好いいと俺は思うけどな。素直だし、すごいことはすごい、好きなことは好きって言えるだろ」
「好きなこと…」
でもAヌナを好きだとは素直には言えない。違うか。口にしたことはあるけど、本気に捉えられていないんだ。
他のメンバーには俺の想いは気付かれてるのに、なんで当の本人は気付かないんだろう。それだけ好意を向けられることが当たり前なのだろうか。ヌナなら誰からも好かれるし、そうなのかな。
「俺も格好いい男になれるかな。そういう男だって思われるかな」
「少なくとも俺はそう思ってる。他の人だってテヒョンのことを知ればそう感じると思うけど」
「そっかー…俺ずっとヒョン達みたいになれたならって思ってた。ヒョン達だけじゃない、ジミンだっていい奴だし、格好いいし。ジョングクだって俺よりしっかりしてるし格好いい」
そんな格好いいみんながAヌナのことを好きなんだ。俺なんて埋もれちゃう。ヌナに向ける愛情だけは負けるつもりはないけど。
でもずっとみんなと一緒にいたんだから、ヌナと同じくらいヒョン達の良さや格好いいところを知っている。
「確かにみんな格好いいよな。でも同じ格好良さじゃない。それぞれ個性があって、それぞれの良さがある。そこが格好いいんだろ？俺はその中にテヒョンもちゃんと入ってるって思ってる。俺から見たら十分テヒョンは格好良くていい男だよ」
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
