14 意中のあの子の想いは�� ページ14
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「ヌナ〜今日一緒にご飯食べようよ」
ジミンちゃんが甘えた声を出してわたしにそう言ってくる。そうすればすかさず聞こえてくる声が。
「俺も行く！むしろ俺と行こう！」
テヒョニだ。まだメイクを落としてもらってる途中なのにそうやって騒ぎ出して、メイクさんが苦笑してる。
「こら、テヒョナ！
ちゃんとメイク落としてもらって」
「俺も行くの！」
「今日はまだ仕事があるから行けないの。
ジミンちゃんと2人で行っておいで」
「ヌナが居ないなら別にいい」
「もう…」
「えーヌナ、何時に終わるの？」
テヒョニは不貞腐れて再びメイクさんの方へ戻る。でもメイクも落とし終わって着替えも終わっているジミンちゃんはわたしの傍から離れない。
「それはなんとも…せっかく仕事が早めに終わるんだからジミンちゃんはわたしを待ってないで好きなことしたら？」
「ヌナとご飯行きたかったな〜」
「ごめんね。また今度ね」
しょぼんとするジミンちゃんに申し訳ないなって思いながらも、こればっかりは仕方ない。
「Aヌナ、ユンギヒョンの所に行くの？」
ようやくメイクを落とし終えて衣装を脱ぐためにわたしのところにやってきたテヒョニがそう聞いてくる。
「ユンギが作業部屋に籠るなら最後に様子を見に行こうかと思ってるけど」
「ヒョンの所には行くんだ…」
「もう拗ねないで」
「俺のことも構って欲しいのに」
そうやって素直に自分の気持ちをぶつけてくるテヒョニに笑いかける。こういう素直なところが可愛くてしかたがない。
テヒョニはいつも真っ直ぐだ。感情も優しさも真っ直ぐにわたしに伝えてくれる。だから助けられることも多い。
「ヌナは愛されちゃって困るな〜」
「そんなこと思ってないくせに」
今日はなんだか拗ねることが多いな。
何かあったのかな。
「テヒョナ？」
「ヌナだからだよ。
ヌナじゃなきゃ意味ないんだからね」
小さな声でそう言うテヒョニにどきりとする。なんて言おうか迷っていると、パッと顔を上げたテヒョニは既にいつもの綺麗な笑顔で。
そして口を四角くしていひひって笑っていた。
「じゃあ明日は？明日なら一緒にご飯行ける？」
「確約はできないけど、頑張って仕事終わらせるね」
「絶対だよ！」
嬉しそうなその笑顔が眩しい。それにわたしの胸が締め付けられる。テヒョニから伝わる愛情に。
でもわたしはそれに気付かないフリをして、そっと笑う。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
