13 テヒョンの気持ち�� ページ11
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「ヌナーこの飾りがダンスの時に絡まりそうなんだけどさ」
「それは危ないね。短くしようかな」
遠くでヌナとホソギヒョンのそんな会話が聞こえてきてハッとする。昔のことを思い出してぼーっとしていた。
相変わらずAヌナは忙しなく動いていて、メンバーが口々に言う衣装への注文に1つ1つ答えている。
そんなヌナを見ながら、思い出していた昔を思う。ヌナにとって辛い思い出。
俺はAヌナに出会って、辛そうなヌナを傍で見てきて守らなきゃって思って。ほっとけない、傍にいたいと強く思い、恋をした思い出。
あれからきっとAヌナに新しい彼氏はできていない。あの事件の後ユンギヒョンのガードは厳しいから、男を近付けないようにしてるし。俺はもちろんヌナにべったりだし。
ジニヒョンもユンギヒョン並みにヌナのことを大切に思ってて第二の兄みたいになってる。他のメンバーだって同じようにヌナに甘えてるから、ヌナの周りにはいつも人がいる。
そん中で新しい彼氏なんてできるわけなくて。ヌナもその気がないだろうし。ヌナが他の男のものにならないのは俺としては有り難いけど、でも俺のものにもならないから。ちょっと複雑。
ヌナは確実に俺に心は許してくれてるし、絶対にあの男より俺の方が好かれてる自信がある。でもそれはなんだか家族愛みたいな感じで、男として見られてないんだろうなあって思う。
ユンギヒョンに「わたしにとっても大事な弟」って言ってたし。弟なんてポジションはジョングクにあげるから、俺はヌナの男になりたい。
「眉間に皺なんかよせてどうしたの」
俺の顔を見ながら笑いながら隣にやってきたジミンを見る。
「うーん、男になりたいなあって思って」
「…テヒョンは女ではないと思うけど」
「生物学上の区別じゃなくて」
「テヒョンが難しいこと言ってる」
「茶化すならいい」
「ごめんって」
けたけた笑うジミンにむっとする。でも再び聞いてくるから考えながら答える。
「なんか、男の中の男みたいな！俺に男を感じて欲しいっていうか」
「要するに自分を意識してほしいってこと？意中の人に？」
ジミンの言葉に黙る。俺の意中の人が誰だかジミンは知ってるんだろうか。
「まあ…そういうこと」
「ふーん…ヌナは俺達のこと弟って思ってるもんね」
なんだ、やっぱり知ってるのか。って思う。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
