イ ン ス タ グク ラ ム

16. 何なのよ。 - SN - ページ16

※サナside









「っ........はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ.....」







1人の部屋に大きすぎる溜息が響く。





______私は今、ある事に悩まされている。




「サナちゃん！おはよ」

「おはよ？こんにちはか」

「きょうもがっこう？がんばれ！」

「へんじまってる〜」







そう、こいつ。変な男に言い寄られています。


あ、学校とかストーカーとかじゃなくって、







インスタで。








何を隠そう、私もAと同じでインスタ中毒者の1人。
かなりの頻度でチェックしている





彼と出会ったのは本当に数日前のこと。






_________





ある日、私の投稿に外国人から何件もコメントが来ていた。



英語だけど言っていることがよく分からなくて返事に迷っていると、その人はサイトのURLと一緒に「 ←touch this!!!」と送ってきた。





何だろう？ちょっと怪しい？


でも外国人の友達とか欲しいよね、Aの投稿にも結構外国人からコメント来てて羨ましいな、って思ってたし...国際交流とか憧れる


にこやかな可愛らしい絵文字も一緒に送られていて、メアドかな、友達になりたいのかな、なんて考えながら浮かれていると________





？「だめ」

？「あぶないよ、これ、きけん」

？「あなた、のっとられる」







サナ「えっ⁉」


いきなり来た知らない人からのコメントに驚き慌てて私はタッチしようとした指を止めた。






「...嘘でしょ」


その言葉だけではよく分からないが、「危険」という言葉が怖くなりネットで検索してみると、被害者による記事が沢山出てきた。




「何、これ」



その人達は私と同じようにURLが送られて来て気になってタッチした所、サイトから一瞬で個人情報や携帯のデータが抜き取られてしまったらしい。

「住所を特定された」「顔写真をばらまかれた」「毎日電話やメールが止まない」などと調べたページは皆の悲しく恐ろしい体験で埋め尽くされていた。




「....怖っ」

危なかった。本当に危なかった、犯罪じゃん
私、やばいサイトに自分から入ろうとしてた...

どうやらその人も私が見たような手口を使い、情報を盗もうとしていたらしい。



えっと...

とにかく、あの人にお礼を言わなきゃ！

結構なパニックだった私は、何も考えずに助けてくれた人のアカウントに飛び、DMで必死に思いつく感謝のメッセージを送った。






危険を知らせてくれた、「TH」さんに。








*

17. 教わったコト - JK -→←15. 俺に出来るコト2 -TH-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す