【JK】惑わされて、愛 2

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彼の担当なんて心臓がいくつあっても足りない。期間限定だから、そのうちオンニに戻ると分かっているからなんとかやってこれているのだ。


「でもAヌナもいいですよ。ソニヌナみたいに強引じゃないですし」

「ジョングギがそこまで言うなんて。ジアちゃんの時はむっすーっとしてたのに」

「あれはまた別です」


褒められて嬉しい筈なのに、素直に喜べなかった。だってオンニが一番だって分かってるから。ただ、別にわたしでも問題がないってだけ。でもそれも分かっていたこと。いちいち落ち込むな、と彼のメイクに集中する。その間も2人の会話が続いていた。


「なんだか僕の知らない間に本当に仲良くなったんだね。最近よく話してるのも見掛けるし。僕も仲間に入れてよ」

「ジミニヒョンはいらないです」

「なにそれ」


結局わたしを他所に2人は楽しそうに話して、出番が近付いてきたのでそのままステージの方へ向かって行った。わたしはそれをただぼーっと見ていることしかできなかった。

感情がぐちゃぐちゃだ。

彼は堂々とわたしとの仲を肯定する。でも、結局はオンニが一番で。きっと彼はわたしをからかって遊ぶのが楽しいだけ。それに惑わされてはいけないって思うのに……いちいち喜んだり、落ち込んだり……どうにかなりそうだった。

そもそも今がおかしいんだ。最近は彼がみんなの前でも普通に話しかけてきたりして、会話が増えた。だからオンニや、さっきのジミンさんのように「仲良くなったんだね」なんて言われてしまう。今までは彼がわたしに関わることなんて殆どなかったから、余計にそう感じるのだろう。

わたしだって、彼の態度がどんどん柔らかいものになるから錯覚しそうになっている。この関係が始まったばかりの頃は、2人だけの時は彼がわざとらしくわたしを困らせて遊んでいることはあっても、表向きは本当に何もなかった。だからこそ線引きができていたというのに……

どうしよう。このままでいいわけががない。周りもわたしと彼の変化に気付き始めている。

だから彼との関わりを必要最低限にしようと思っているのに、上手くいかない。何かいい方法はないかって思いながら考えを巡らしていたが、気付いたらモニター越しにファンを魅了する彼の姿を目で追いかけていた。

こうやって遠くで見ているだけで良かったのに。やっぱり欲を出したのがいけなかったのかな。


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