【BTS】カタストロフィー【JK】 (ページ4)

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名もない罪状ページ4

ジョングクに言われた通り、ナマエは通勤をタクシーにすることに決めた。

「…でも、タクシー代もバカにならないなぁ」

グクは出してくれるって言ったけど。やっぱり、そこまで甘えらんないよね…

思いながら、タクシーの窓からゆっくりと流れていく暗い通りを眺める。行き帰りをタクシーにしてからつけられることはなくなったが、誰かに見張れているような不安は未だ拭えない。

「……気にしすぎかな、」

ひとりごちて、何気なくスマートフォンの電源をつけたその時。てのひらでいきなり震えるそれ。

「……びっくりした、」

こんな時にだれよ、心の中で文句を言いながら発信元を見るとそこには最近ではあまり見ることのなくなった４文字が並んでいた。

「…公衆電話…？」

…なんで、今時公衆電話？

そのままスマートフォンを見つめるけれど、電話は切れる気配もない。少し気味悪さを感じながらも、ナマエは通話ボタンを押した。

「…もしもし」

『………………』

「……あの…？」

『………………』

受話器の向こう側。電話の相手は、何も言わない。

…なにこれ。無言電話？

最近のこともあって嫌な予感がしたナマエが電話を切ろうとスマートフォンを耳から遠ざけかけたそのとき。

『…………ね、』

微かに聞こえた声に、慌ててナマエは電話を切った。

声と呼ぶには頼りないほど小さくつぶやかれたその言葉。
聞き間違いでなければ、『死ね』、そう言っていた。