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夏休みはほどほどに友達と遊んで、
それから実家に帰ることにした。
学校からはすこし離れた実家。
自分の苗字が書かれた表札のある家の前に立つ。
『何気に久しぶりだなあ』
ただぽつりと呟くと、そこで急にドアが開いた。
出てきたのはお姉ちゃん。
『あっ、おね』
「……じゃー、気をつけて帰ってね」
と後ろにいる人に話しかけた。綺麗な髪をかきあげながら。
『……っ』
心臓が止まるかと思った。
だってお姉ちゃんの後ろから出てきたのは、
他でもない、グクだったから。
「あれ、A？」
失恋したひとが目の前にいて、
しかも自分の実の姉と家から出てくるなんて。
そんなこと、だれが想像した？
グクと目が合って、反射的に逸らしてしまった。
久しぶりに見たグクは、罪悪感や戸惑いや驚きがいりまじったような複雑な表情をしていた。
『……あ、えっと、』
「おかえり、どうしたの。Aいつもとなんか違ーう」
『ううん。なんにもかわんないよ。』
「あー、この子。Aと同い年の彼氏！高校の後輩なんだけど、たまに家まで送ってもらってたりしてたの覚えてない？」
状況がつかめなさすぎて戸惑ってたけれど、やっと繋がった。グクの好きで好きで仕方がない"先輩"ってお姉ちゃんだったんだ。
お姉ちゃんが、好きだったんだ。
私じゃなくて、私が少し似てるお姉ちゃんが好きだったんだ。
………最初から勝ち目なんてなかったんじゃない。
だって、私がお姉ちゃん以上になる日なんて一生こないんだから。
『……あんまり覚えてないなあ(笑)』
『あっ、初めまして。妹のAです』
" お姉ちゃんの彼氏 " に、挨拶をした。
泣いてしまわないように、精一杯の笑顔で。
「……初めまして」
私にそう返したグクは、
私とおんなじように笑っているのに泣いてしまいそうな顔をしていた。
こんなの、知りたくなかった。
ただなんにも知らないところで笑えてたほうがずっとマシだったよ。
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係？みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (
レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています！ (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます！続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます！映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます！また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月野
| 作成日時：2018年3月23日 20時
