２７ ページ27
・
Aの家の方向に向かってたから、
家に誘ってくれたのかなって思ってすこしウキウキしてたら、違ってた。
Aの家の近くで待っていた男。その男がニヤニヤしながら、Aに話しかけると、一気にその表情はこわばった。どうやら、その男に彼氏を連れてこいと言われていたようだ。
「お前は俺のことが好きなのに！」
男は大きい声で怒鳴った。
これ、ストーカーじゃん。
……Aは淡々と答えてたけれど、手が震えてたことに気づいてしまった。
庇護欲、というか、なんというか。
そういう感情でいっぱいになった。
知らない間に、自分のなかで彼女という存在が大きくなっていた。
そんな時、電話がかかってきた。
相手は先輩。
また、気まぐれで、俺を呼んだのかな。
でも、大事な用事だったら。
そう思って電話に出た。
「もしもし」
"ぐく、会いたい"
……その、言葉ひとつでどんなに嬉しくなるか、先輩は知らない。いや、知ってて使ってるのかな。
「いまですか？今はちょっと……」
いまは、Aのそばにいなきゃいけないって思った。それにしても、電話越しで聞いたらほんとに声似てるな。
"なんで？あ、もしかしてバイト中？"
「や、違うんですけど……あとでかけ直してもいいですか？」
"……彼氏と別れたの。なんか、しにたくなった。"
「ちょっと待ってください！だめですからそんなの！」
……先輩が彼氏と別れた時のいつものパターンなのに、なんでこんなにいつも焦ってしまうんだろう。
「……あとで行くから、ちょっとだけ待ってて先輩」
……このときどんな表情で、彼女が俺を見ていたなんて、
この先もきっと知ることはないのだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1656人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係？みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (
レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています！ (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます！続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます！映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます！また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月野
| 作成日時：2018年3月23日 20時
