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『なんか、ごめんね。こんな話しちゃって』

空気がなんとなく重いように感じる。


「また、ごめんって言う」

『あ。』


ほんとだ。

それほど、私にとってお姉ちゃんという存在は強烈で、大きくて、特別で、そんなお姉ちゃんでも、憧れで、だいすきで。
私がお姉ちゃんより下に見られるのも、
お姉ちゃんに見下されるのも、
へっちゃらで。
ただ、ただ。お姉ちゃんに嫌われることだけはいやだったの。


簡単にこんな性格は治りそうにもないな、と思った。




「あのさ」とグクが口を開いた。

『ん?』

「俺の前では、ごめんって言うの禁止ね」

『え……?』

「Aはお姉ちゃんがお姫様だっていうけれど、おれはAもお姫様だと思う」

『……』

「あ、これはお姫様症候群ってことじゃないから」

『グク』

「Aは、頑張りすぎなくていいし、我慢しなくていいし、悪くないことで謝らなくていい。お姉ちゃんはお姉ちゃんのなかで一番だし、AはAのなかで一番だよ。この世に二番目とか二位とかなんてものはないから。」



グクの言葉は、なぜか、
すっと私の心に染み込んでいった。

そんなことを言われたのは初めてで。

じわっと溶けて、
ぎゅうっと、胸が締め付けられた。



『グク、』

「ちょっと感動した?」

へへん、とでもいうような表情をするグクに、
なんだか泣けてきそうになる。


『……手、繋いでも、いい?』


恐る恐る、気持ちを声に出すと、
目尻をきゅってさげて、「どーぞ」って手を差し出した。

その大きな手をぎゅっと握ると、あたたかさが広がった。
初めて手を繋いだときにはなかった感情。









……わかっていたの、このままじゃまずいって。
グクのことを好きになっちゃいけないって。


だけど、
この手の温もりも、この笑顔も、
いまだけは手放したくなかった。






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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジョングク、テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時

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