悪役のヒロイン

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昨日の22:54 祖母 永眠。
長い間癌と闘ってたと聞いた。
その連絡は私にとって 深い傷になった。

両親と同じく 優しく遊んでくれた祖母。
事故があってから 姉と暮らしていて会わないまま
祖母は旅立ってしまった。
涙が止まらない。 苦しくて。 息ができない。
悔しい思いと悲しい思いは追いつけない。
痛くてたまらない身体中より今はすごく悲しい。

みんなに聞こえないように 私は海へと歩いた。



潮の匂いが強まるここは浜辺。
サラサラの砂と月が海を照らしている。
近くにある貝殻を耳に当てると海の音が響く。

誰かに背中をさすられているようだ。
私の流す涙を優しい手で拭いてくれている。
頭を優しく撫でられている。
抱きしめられている気がする。


『おばあちゃん。 会いたかったよ』


私の一言で風が強まる。
まるで返事をしてくれているみたいだ。
私はお葬式には行けないから、言っておきたい。


『今ここにいたら。聞いててね。
姉がお世話になりました。
おばあちゃん 遊んでくれてありがとう。
貴方の娘を守れなくてごめんなさい。
娘の夫を守れなくて。ごめんなさい。
そんな私を許してください。
私は貴方が大大大好きです。

今までありがとう。 』


私は地面に膝をつき海に深々とお辞儀をした。
砂に私の願いを込め海に飛ばした。
風がまた強く吹いた。









悲しんでいる暇はないだろう。
早く守るべきものを守って。
やるべきことをやって。
自分の人生を歩んでから会いに来てちょうだい。
首を長くして待ってます。

おばあちゃんは Aちゃんが大好きよ。
忘れないでね。



叔父さんから写真が送られてきた
祖母がなくなる前に書いたものだという。
なぜ分かったのだろう。
私はその手紙の内容を大切に胸にしまった。

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