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逸る気持ちを抑えてタクシーを拾う。
だけど流れる景色を見ながら思うのは
早く会いたい、それだけだった
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久しく会うコンシェルジュと目が合うと
ニッコリと微笑まれた。
JN「ただいま」
コンシェルジュ「おかえりなさいませ。
今回はすれ違わなくて良かった」
そう言われて小走りでエレベーターに向かった。
何度押しても来る速さは変わらないのに
わかってても何度もボタンを押してしまう。
部屋の階に着くともう気持ちなんて抑えられなくて
こんなに急いで部屋の鍵を開けるのは初めてだ。
扉を開くと香る、柑橘系の香り。
リビングに近づいていくと
コーヒーの香りがしてきた。
あと少し先に、
「あ、おかえっ
JN「ただいま」
やっと会えた、抱き締められた、
「おかえりなさい」
背中に回された腕
知っている力より少し強い気がする
JN「寂しかったですか?」
「はい、すごく」
JN「僕もです」
上げた顔は大好きな陽だまり笑顔
「一緒ですね」
愛おしい、本当に、この人の全てが、
「また薔薇買ったんですか?」
JN「はい。今回は9本です」
本数を聞いて赤くなっていくAさん。
JN「意味はなんでしょう?」
「知りません//」
真っ赤な耳に口を寄せた、
JN「“いつもあなたを想っています”」
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作者名:くちびる | 作成日時:2020年4月17日 9時