あの夏の想い出に、さようなら

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わざとらしく首を傾げるジミン。


"女の子"と言われて、胸がざわざわする。

分かってるのに。
私が女で、ジミンが男の子なことくらい。


肩の当たる距離にある目の前のジミンの綺麗な顔。
…あぁ、すきだなって、やっぱり思った。

でも、それと同時に自分はただの友達だって言われてるような気がしてしまう。




『みんな、恋人作っちゃうのかな』


「そもそも、恋人って何するんだろうってくらい分かんない」


『デートとか、…キスとか』


「あぁ…。Aちゃんは恋人欲しいの？」


『……まぁ』


「…ふぅん」


『だって、早く大人になれそうなんだもん』


「大人になりたいの？」


『…うん、大人になりたい』




だって、大人になったら…夏休みじゃ無くてもジミンに会える。
ジミンと遊べる。


ジミンに…大人の女性として見てもらえる。




『…ジミンは、なりたくないの？』


「なりたいとは思うけど、思ってなれるものじゃないでしょ？」


『でも、20歳になるって大人ってことでしょ？』


「そうだけど、それだけじゃきっと大人になれないよ」


『じゃあ…どうしたら大人になれるかジミンは知ってるの？』


「…知ってるよ」




頬にひんやりとする感触。
驚いて肩を小さく振るわせる。


ジミンが、私の頬に触れていた。
水を触った後だからか、ジミンの手は冷たい。




「大人になる方法、知ってる」




瞬きをした一瞬のうちに唇に触れたものと、ジミンのドアップ。

何が起きたのか一瞬で理解したけど、何も言えずに口をぱくぱくとした。


ジミンは目を伏せたままゆっくり離れて、私の様子を伺うように目を見つめた。




「…嫌だった？」




もちろん、首を横に振る。

びっくりしたけど、嫌なわけもない。
好きな人にされて不快になんて思わない。


寧ろそれよりも…もっとしたいと思った。

もっとキスもしたいし、もっと、他のこともしたい。




『……もっと、』









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