１３ ページ13
.
.
.
4年生になった時、ジミンのお友達に初めて会った。
連れて行きたい場所があるって手を引かれた先は、いつもジミンと遊ぶ川や森を抜けたちょっとした住宅街にたどり着いた。
名前は…なんて言ってたかな。
よく、覚えてないけれど。
私より少し背の高い男の子と、
ジミンより少し背の低い男の子。
ジミンが紹介してくれたのは男の子2人だった。
背の高い男の子はすごく元気で、私にも人懐っこく話しかけてくれた。
背の低い男の子は人見知りだったのか背の高い男の子の後ろに隠れて大きな目をうるうるとさせていた。
すごくすごく楽しく遊んでいたのに、
ジミンはその年以降その男の子たちと遊ばせてくれなかった。
…何で、だったんだろう。
.
.
.
「ジミンくんが来たわよ」
ジミンが来たのは翌日のお昼前だった。
『…随分早いね』
「そう？ジミンくんはいつもこうだったと思うけど」
おばさんがクスクスと笑う。
ジミンはいつもおばさんの家まで迎えに来てくれた。
暗くなる前には帰ってこなくちゃいけなかったからか「早くしないと夜になっちゃうよ！」って走って来てた。
「また明日」
ジミンが昨日そう言ってくれたから、私も既に準備は終わっていた。
日焼け止めは塗ったし、お気に入りの背中の開いたブラウスとデニムパンツにも着替えた。
化粧はしても汗で落ちちゃうから薄めに。
『おまたせ』
荷物を持ってから玄関に戻ると、シンプルなシャツとパンツを着たジミンくんが瞳を柔らかく細めた。
「おはよう、行こっか」
『うん』
「ほら、乗って？」
家の前にとまっている車。
運転席に乗り込むジミンに続いて助手席に座る。
『…運転、出来るんだ』
ガタガタと安定のしない道を進む。
「意外？」
『ちょっとだけ』
「ふふ、そっか」
「俺も大人だからね」
前を向きながら何気なく言った一言に、私の心臓が忙しなく動き出した。
『そう、だよね。…もう、大人だもんね』
平常心を装い放った言葉に、「そうだよ」となんの躊躇いもなく答えが返ってきた。
…分かっているのに。
何を、落ち込んでしまっているんだろうか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 437人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「BTS」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💕 (11月9日 0時) (
レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：130号室
| 作成日時：2022年10月1日 0時
