すきなものの食べかた：24 ページ24
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思考が、停止した
すぐ目の前には治の顔があって、
何が起こったのか理解するには、時間がかかった。
まるで時間が止まったみたいで、
辺りが静かなおかげで なんだか私たち
ふたりだけの世界にいるみたいだった。
それはほんの少しの間だっただろうに、
なんだか長く感じて、彼が私に何をしているのか
頭で理解しても尚、私の体は全く動かなかった。
『 …、おさむ、 』
短くてもその行為による、
何から来るのかわからない胸焼けのような
息苦しさと、脈拍数の多さが、
私をいつものように、
彼の名前を呼ばせてくれなかった
震えた、明らかに動揺したような声。
私に名前を呼ばれ、
一度は目を合わせたものの、
しばらくしてすぐに逸らされた。
目が合ったときの治に、先に
目を逸らされたのは、初めてかもしれない。
今キスをした理由は、
彼が自分の口で教えてくれるわけでも、
いつも何を考えてるのかわからない彼の表情が
今だけは崩れて、私に何かヒントを与えてくれるわけでもなかった。
「 結局ピザまんにしたわーーー！！ 」
今の私たちの空気をぶち壊す軽快な声が
辺りに響き渡ったと思えば、コンビニから
ぞろぞろと侑たちが出てきた。
タイミングがいいのか、悪いのか。
「 お前決めんの遅いねん、結局ピザまんやし 」
「 なんや別にええやんか！一口ちょうだい言うてもあげんからな！！ 」
何事もなかったかのように、
いつも通り片割れとそんなことを話しながら、
彼は私の前からいなくなった。
待ってよ、今の何だったの？
治の真意が読めなくて、
ひとり取り残されたような気分の私は、
きっと今動揺したような、ひどい顔をしてる。
「 …なに、その顔、なんかあったの 」
上から声が降ってきて見ると、角名だった。
やっぱり今の私、
なんかあった、って人の顔してるんだな。
『 …いや、何も 』
ありまくりだ。
「 ふーん、そう 」
何故か、このとき角名には言えなかった。
別に、角名のことを信用してないからとか、
そういうわけじゃなくて、
動揺してるのと、今話してしまうと
なんだかよくない気がしたから。
そんな私に何も触れてこないで、
角名は黙って私の隣を歩いていた。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました！最後までキュンキュンしながら読みました！ (2021年8月5日 15時) (
レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです！本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します！！終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です！宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした！これからも頑張ってください！ (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜！！そういっていただけてとても嬉しいです；；；； (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈕
| 作成日時：2018年2月3日 17時
