すきなものの食べかた：21 ページ21
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治いじりに対して開き直ってやろうか、
という先ほどまでの強がりはどこへ行ったのか、
やっぱり治の話をしているときに
本人が登場すると、んっ、と黙ってしまう。
私の小心者め。
「 なに、治 」
「 監督がお前のこと呼んどった 」
ドギマギしている私とは正反対に、
何事もなかったかのように治とそれだけ話すと、
角名は監督のところへと走っていってしまった。
つまり、治とふたり。
『 あ、治も飲む？しばらく休憩してないやろ 』
「 うん、ちょーだい 」
角名を呼びに来たのかと思いきや、
そこからなかなかコートに戻らないから
カゴからドリンクのボトルを取り出して
差し出すと、あっさり受け取って口に含み始めた。
「 慣れたか、マネージャー 」
『 ああ、おかげさまで楽しくやれとるよ 』
「 それならよかったわ、
角名とかに変なちょっかい出されてへん？ 」
『 ああ、たった今出されとったよ 』
変なちょっかい、とは
まさか治のこと話してたの、
聞こえてたとかじゃないよね。
まあ身長のこといじられたから嘘ではないよね。
「 ふうん、ええな、俺もそんなんしてみたい 」
『 ん？ 』
「 Aに、ちょっかい 」
治らしからぬ言葉に、耳を疑った
びっくりして思わず治の顔を二度見した。
ようやく言葉の意味を理解し始めた私の表情を見て、彼は少しだけ口元を歪ませた。
『 え、え、治が？ 』
「 うん、侑や角名ばっかズルいし 」
『 な、なななんで？ 』
あの優しくて、紳士的な治が。
私を弄ぼうというのか、侑や角名のように。
しかもズルいってなんだ！
「 なんか面白そうやから 」
『 面白くないから！！ 』
「 えー、あかんの 」
そんな甘えるような言い方をしてもだめだ！
突然の彼らしくない欲求をカミングアウトされ
慌てふためく私を、治はゆるりと目を細めてどこか楽しそうに見下ろしている。
「 わかった、せえへん、…たぶん 」
『 たぶんってなに！！ 』
さすが双子だ、
普段は全く違う性格のように思えても、
時々彼の片割れを彷彿とさせる、あの悪そうな顔が覗かせるのだから。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました！最後までキュンキュンしながら読みました！ (2021年8月5日 15時) (
レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです！本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します！！終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です！宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした！これからも頑張ってください！ (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜！！そういっていただけてとても嬉しいです；；；； (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈕
| 作成日時：2018年2月3日 17時
