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「アウトロが流れ始めたらそこで、

二人が上ステージのほうに移動してもらって、」


ユーキの指示を聞きながら

最後の動きを確認していた。




「音は無いままでタカシと?」


「そのほうがちょっとドキッとしない?」




頭の中で想像をしてみる。

確かに音が無いとなんというか…



「リアルな感じがする…」


「でしょ?俺もそう思った」



ユーキの屈託のない笑顔で言われてしまうと

少し言葉に詰まる。



目の前のベッドを見ていると



「うわ、なんか緊張してきたわ」



なんて言って胸を押さえるタカシ。



「タカシ〜しっかりリードしろよ〜!」

「わ、わかってるって」

「じゃあ、一回やってみて」


ユーキが端にはけると

他のメンバーも流れる音楽に合わせて

それぞれのパフォーマンスを模索している。





そろそろアウトロが終わる。


じっと彼を見ていれば

「そんな見んといて」と照れ始めた。



「撮影の時は照れなかったのにね」

「あん時はさあ、メンバーいないからできただけで」



そう言いながらベッドを目の前に私の腰を引き寄せる。



「それとこれとは別やもん。

…首」



首元まで真っ赤に染まってきたところで腕を回す。


既に流れる音楽は無くなって

異空間のように静かだった。




すると彼が体重をぐっとかけて

私の脚の間に自分の脚を入れ込む。




「わ、」



思いのほか、倒れる勢いがよくて

ベッドの上の掛物が一瞬浮く。



仰向けになって

照明の眩しさに顔をしかめるけど

すぐ上に乗ってきたタカシに焦点が合った。




慣れない状況に頭がズキズキする。

それで、どうするんだっけ。




彼から目を逸らさないようにすれば

MVのコーイチのように、顎を持たれ

顔がどんどん近づく。



自分の腕だけは離さないようにして

ぎゅっと目を瞑り、あとは彼に委ねる。



きっとステージ前方から私たちの口元が見えないように

顔を傾けているのが、首元にかかる吐息でわかった。



「…ぷは」

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作者名: | 作成日時:2017年11月6日 17時

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