検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:91,670 hit

33 ページ33

「本当に酔ってるの?」



二人で夜道を歩きながら

私は彼に問いかけた。




「まあまあ」



冷たい風のせいか、さっきまで眠そうだった目も

今ではぱっちりと開いている。


だけど

口調は相変わらずふわふわ、とろとろとしていて調子が狂う。




「もう、私、帰ってもいい?」


「だーめ」




「わ、」



肩ごと彼に抱かれ、

私の逃げる道を無くす。




「ちゃんと家まで連れてって」




彼の甘い声で言われれば

少しもときめかない、というわけもなく。



介抱介抱〜、

その言葉に無理やり縛られ

いつかのように彼の家へと行くことになった。






「いらっしゃーい」



一歩、踏み入れると


いつも通りの彼の部屋のはずなのに、


何か違和感。



その違和感の正解が頭に浮かび

彼を不審に思う。




もしかして。





でも、

今言ったところで

うまくかわされそうな気がして、何も言えなかった。





「あー。つっかれた〜、眠いわ〜」



そんな私も知らず

リビングを突っ切り、

その奥のベッドへとダイブした彼。



しばらく動かない様子を見て


寝た?と思っていれば


「A〜」


と呼ばれて項垂れる。




「なんですかー、コーイチさん」

「こっち、」




雑にベッドを叩く。


渋々、ベッドサイドへかがみ、

彼の顔が見えるところへ。


彼は私のほうに視線を送り

目が合う。




「ねえ。

なんで呼んだの。

ユーキも、…タカシもいたのに」


「タカシと飯食ってた?」





話、逸らされてる?

そう思いながら黙って頷くと

「そーなんや」と暗い返事。





「…しょーもないこと言ってもいい?」

34→←32



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
250人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年11月6日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。