影と月 (ページ4)

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先に終わってしまった私たち３人は大人しく楽屋で待機していた。

今度はそれぞれのビジュアル撮影。

スーツっぽいスタイリッシュな衣装はかえってグループらしくなかった。

「コーイチのシャツ黒だからホストっぽい」

珍しく前髪も下ろしていた彼。

鏡越しに目が合えば、口角をにっと上げた。

「ドンペリ入れてや、お姫様」

「死んでもやだ」

「優しくしてや～」

「ドンペリしか知らないくせに」

すると彼は私の方に向きを変えて、ずかずかと私の隣に座った。

「俺のことよーわかっとるなあ？」

「…」

あ、地雷踏んだ。

カイもいるってこと、わかっててやってる？

横目でカイに助けを求めるが、視線はスマホだった。

…この男の意地の悪さは磨きがかかっている。

なんて思いながらわざと嫌な顔をした。

「全然知らない」

「何年の付き合いやねん」

「さあ」

そうやって素っ気なく返事をすると

ずいっと距離を近づけてくる。

そしてカイに聞こえないように

耳元で囁いた。

「なあなあ。

＿＿＿俺のにならへんの？」

背中がぞわっとした。