【文豪ストレイドッグス】××されたいっ！ (ページ17)

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＃社長の奥さんが妊娠中に誘拐されたら！？ページ17

Aside《社長の奥さん設定》

　

此処は何処なのだろうか。

お腹の子は無事なのだろうか。

私は武装探偵社の社長、福沢諭吉さんと先日結婚して子供にも恵まれていた。

今日は買い物に少し出掛けていただけなのに。

諭吉さんには気を付けるようにと念を押されていたけれどこんなことがあるだなんて。

今は後ろ手に縛られていて、何処かの倉庫の床に転がされていた。
　

私はどうなってもいい。

　

だから、この子だけは……！

「おい、奥さんよぉ。」

　

「な、なんですか？」

　

「あんた、武装探偵社の社長の嫁なんだってなぁ。
其も子供もいるんだって？

あんたを殺せば、社長さんはさぞかしお怒りになるだろうなぁ。
恨みを晴らすに丁度いいカモが捕まえられて良かったよ。

さぁ、何処から痛め付けてやろうか。

先ずは一思いに子供から殺してやろうか……!」

　

「嫌ッ、やめて！

私はどうなっても構わないわ！

この子だけは…

其だけは……其だけは、お願い、お願いよ……！」

　

「黙れよ！

どっちにしろお前らはもう死ぬんだよ！

　

哀しむ間もなく殺してやんよ！
嗚呼、其から此処は完全防音で誰にも見つけられねぇ。

見張りは外に三十、此処に見えるだけで十数人。

締めて五十いるからな。

誰も助けに来ねぇよ。」

　

嫌、助けて諭吉さん……！

　

バァンッ！

「…Aッ！」

　

「諭吉さんッ！」

　

「何っ此処が分かるわけが……見張りはどうなっている！？」

　

諭吉さんは焦っているようだった。

あっという間に見張りを倒していって、直ぐに私のところに来てくれた。

ボスらしき男もものの数秒で倒してしまった。

　

「A…無事か？

遅くなってしまってすまない。」

　

そっと私の頬に手をあて、心配そうに顔を除きこんできた諭吉さんが格好よくって、安心しきってしまった。

「大丈夫です。

来てくださってありがとうございます。」

　

「…A。

誘拐されたと聞いたときは心臓が止まるかと思った。
気を付けてくれ。

私ももっとAの傍にいよう。

Aとお腹の子を守れるように、な。」

　

「…はいっ！」

　

ゆっくりと抱き寄せられた。

温もりが暖かくって、安心して。

　

諭吉さんにそっと接吻され、力強く抱き締められて、この人とずっと一緒にいたいと、そう思った。