【イナズマイレブン】［その３］一度目の人生終えたら転生したのだが？

111 ページ11

「ザ・マウンテン！！！」



またしても壁山くんがきっちりと間に入り、威力を殺す壁となった。
しかし今回は先ほどのシュートとは訳が違う。今回は相手ゴール直前からのシュートだ。エクスカリバーの性質上、この攻撃は痛い。

あんな見るからに強力そうなシュートの間に入り、必殺技まで決めた彼、壁山くんは勇者だと思う。
帝国と雷門で戦ったあの初期の試合の時とは比べ物にならない。彼は本当にたくましく成長している。



「・・・・！壁山くんが！」

やはり起きない。コートのラインぎりぎりまで近づき。彼の様子を見に行った。


「壁山ーーっ！！」

円堂くんも駆け寄る。

なんとか起き上がった彼は辛そうな表情をしていた。


「壁山くん、プレイは続けられるんでしょうか・・・」

みんなが不安そうにする中、染岡くんとの交代が告げられる。

栗松くん、飛鷹くんが激励の言葉をかけている中、壁山くんがこう言ったのが聞こえた。



「何度もやられたら悔しいっス。イナズマジャパンの失点は、俺たちだけの失点じゃないっスから！」




本当に彼は大きく成長している。みんな成長しているけど、何より彼は雷門中サッカー部に入り、イナズマジャパンに入り、自分に自信がついたのだろう。とても強い子になった。



「壁山くん、お疲れ様。君はイナズマジャパンになくてはならない最高のディフェンダーだよ！

あとはみんなに任せてゆっくり休みながら一緒に応援しよう！」


ベンチにきた彼にそう告げると、彼は「はいっス！」と潔くこたえた。

泣き虫だった彼はもういない。サッカーを通じて少し大人になった１人の中学生がそこにいた。

112→←110

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す