頑張れる理由。izwさん ページ19
『拓司くん、、、もう無理勉強止めたい、』
「だーめ。俺のこと追いかけてきてくれるんでしょ。頑張らなきゃ。ほら、次の問題。」
『んぁぁーー!!拓司くんの鬼!』
「はいはいわかった」
『なんか頑張れる理由ないと頑張れない』
「どうすればいいの」
『頑張れる理由、ちょうだい』
「んー、、、」
日々の受験勉強のせいですっかりストレスが溜まってしまった私に、優しく声をかけてくれる拓司くん。
私はとっくにそんな拓司くんを好きだったけど、【幼馴染】というこの関係が、近いようで遠くて、私の恋を邪魔していた。
拓司くんは私の2つ上で、すごく頭のいい学校に通っている。拓司くんを好きになったあの時から、私は拓司くんと同じ大学に進学することを決めた。
ほとんど同時に、合格したら告白しよう、と決めた。
でも、そんな難しい大学に、平凡な私が入る、なんて到底できないような事で。
それでも拓司くんに教えてもらいながらなんとか頑張ってきたけど、やっぱり辛いものは辛い。
頑張れる理由を頂戴、なんて、頑張れって言ってくれたらほんとはそれだけで充分だったんだけど、
かなり真剣に考えてくれている拓司くんを見て、少しだけ、なんか色々期待してしまった。
「じゃあさ」
そんなことを考えて少しぼーっとしてしまっていた私に声をかけてくれた拓司くん。
『は いっ?!』
めちゃくちゃ変な声が出てしまった。
「もし合格できたら、_____ 」
『...ぇ?』
ほんと、もう、信じられなかった。
【合格したら、付き合おっか】
なんて、私の聞き間違いだろうか?それとも遊ばれているだけ?私なんかが合格なんて出来ないってことを見越しての冗談?
ぐるぐると思考回路を巡る急な告白に合わせて、どんどん顔が熱くなっていくのが分かる。
「はは。顔赤すぎ」
『えっ、いや、だって!そんなこと!』
「本気だよ」
『えぇ、、、』
もう、ありえない。ありえないな、と思ったけど、「本気だよ」なんて言われて、頑張れないわけないじゃないか。
頑張るしかないじゃないか。
合格したら、拓司くんと付き合える。
ずっと片想いだったはずの拓司くんと、恋人同士になれる。
世界で1番のエールだな、と思った。
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葵(プロフ) - 実紅露。さん» いえいえっ!!こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!嬉しいです!! (2020年3月30日 17時) (レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
実紅露。 - めっちゃキュンキュンしました!ありがとうございます! (2020年3月30日 10時) (レス) id: ec857bc14c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグくらいちゃんと外して下さい (2020年2月16日 15時) (レス) id: 34c689493b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2020年2月16日 13時