キスしないと出れない部屋？！ izwさん ページ1
『んん、っ、ここ、どこ、、』
「あ、A。起きた？いやぁ、俺もわかんなくてさ、ここがどこか。」
『確か、2人で歩いてたら、急に、、意識がなくなって、、』
「全く覚えてないんだよな、俺も。」
『とりあえずこの部屋から出よ？その後で考えればいいしさ！』
そう思い、立ち上がってドアの方に向かう。
ｶﾞﾁｬｯ
『？！っえ？！』
「えっ、大丈夫？！」
『開かない、ドア、開かない、、』
「うそ、、あれ、なんか書いてあんじゃん。」
「『キスしないと、出れない部屋、、』」
『えええ？！付き合ってもないのに？！やばいよそれはっ、、』
「でも、しないと出れないって。」
『いやぁ、私ファーストキスなのに。付き合ってない人とキスするなんてっ！！』
「出たくないの？」
『出たいよ！！狭いの嫌い！』
「じゃあしないと。」
グッ、と両肩を掴まれ、背中に壁が当たる。座ったままで。
『っ、、』
顔を近づけられ、少し照れてしまう。
なんだこいつ。急に男らしくなって。
「目、瞑ってて」
『っ、うん、』
意を決して目を瞑る。
ふわっ、と唇が触れて、少しの間そのままの状態で時が止まる。
『っは、』
唇が離れて、目を開けると目の前に拓司の顔。
なんか、すごくかっこいい。ほんのり赤くなった頬も、まっすぐにこっちを見てる目も、男の人なんだなぁって思う感じの。
あぁ、なんか好きになっちゃいそうだ。
そう思って見とれていると、ふいに拓司とばっちり目が合う。
『たくし、？』
「A」
また拓司の顔が近づいてくる。自然に目を瞑ることが出来た。
今回はさっきと違ってぎこちない訳じゃなくて、甘くて深い、大人のキス。
なんか、もう出れなくてもいいかもしれない。この密室のせいか、はたまた拓司のかっこよさのせいか。
ファーストキスが拓司でよかったなぁなんて。
あぁ、完全に惹かれてしまった。
「A、ごめん、嫌だった？」
『いや、、その、』
「？」
『うれし、かった、』
「！可愛すぎ、」
『い、いや！そう、出よう！もう出よう？！お仕事しなくちゃ！記事も書かないと！』
今度はしっかりドアは開いた。逃げてしまったことに罪悪感を感じながらも、初めて拓司のことを異性として意識してしまって戸惑う。
好きかもしれないなぁ、なんて。
ずるいのはわかってるけど。
なっちゃったもんは、しょうがない。
「脈アリ、って思っていいんだよね、あの顔。」
好きな人の真っ赤な顔を見て、明日から猛アピールを決意した彼のことを知る人は、
まだ誰もいない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 実紅露。さん» いえいえっ！！こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！嬉しいです！！ (2020年3月30日 17時) (
レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
実紅露。 - めっちゃキュンキュンしました！ありがとうございます！ (2020年3月30日 10時) (レス) id: ec857bc14c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグくらいちゃんと外して下さい (2020年2月16日 15時) (レス) id: 34c689493b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2020年2月16日 13時
