入道雲と藍を教えて【ワ亻〒ﾉﾚス゛】 (ページ8)

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7話ページ8

朝いつも通り近所のおば様に挨拶をして元気に登校する。
三本目の曲がり角を曲がった時に、突然後ろから声をかけられた。

kn「おはよう、Aちゃん」

夏服を着たすらりとしたきんとき君は私の隣へと並んで話し出した。
クラスではあんまり話せなかった分ここで沢山話そう、と意気込んでみる。
うん、やっぱり彼もかっこいい顔をしているなぁ。

「おはよ、きんとき君!!今日は数学のテストだけど勉強してきた?」

kn「…あー、ぼちぼち?」

へにゃりと笑うきんとき君はいかにも優しい人ですっていう雰囲気が漂っている。
私のクラスの中では比較的、常識人寄りなのかも。
…あの5人が個性の強すぎるだけなのかな。

「あ、そうだ、ちょっと聞きたいことがあるんだけどね」

彼はなかむ君とも仲が良さげだし、もしかしたらあのネットの掲示板の事も知っているかも。
思い切って聞いてみることにした私は立ち止まって背の高いきんとき君を見つめた。

「この間、白虎村について調べたんだけどね。なんか掲示板に生贄…?のことが書かれてて」

その瞬間彼の眼は細くなり、手首を掴まれブロック塀へと体を押し付けられる。
突然の事で目を白黒とさせている私をきんとき君は光の灯らない真っ黒な瞳で見下ろした。
怒らせちゃったかな、どうしよう。なんて言えばいいのかな。

kn「それ以上はだめだよ」

遠くで蝉が鳴いている。
ジリジリとした熱が私達の肌を焦がしていく。
清爽な匂いは私の鼻を擽って通り抜けて消えていく。

鼻の先にあるきんとき君の顔は彼に似つかわしくないほど歪んでいた。

「どうしよう俺嫌われたかもどうしようどうしよう無理だごめん嫌われた」

「おい、お前のせいだぞすまいる!!」

「…すまんきんとき、今回は俺の不備だったよ」

「まぁまぁ大丈夫だよ、あの子意外と抜けてるから」

「だとしても怪しく思われただろ」

「まぁすまいる頼んだぞ」