風向き【ちょこくりーむ】 ページ26
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風向きの怪しい曇天の中
環は、独り、局長室に閉じ籠っていた。
理由は、書類の整理。
ホットココアを口に含みながら、ペンを走らせる。
こんなところを怜南に見られたら、自分のせいだと思い、責任を感じるだろう。
だから、こうして内緒で作業をしている。
しかし、私は実際、吉原には向かっていなかったから、記入できない部分も少なくない。
そして、“当事者を呼ぶ”という結論に至った。
やはり、戦闘をした人物がいいが、怜南は流石に呼べない。
祭はどこかに行ってしまった様だしなぁ。
…あ。
「…睦月がいたっけ。」
「暫く休んで怪我もほとんど治ってるみたいだし、丁度良い。」と思い、睦月を呼び出した。
暫く待つと、局長室のドアをノックする音が聞こえてきた。
コンコン、コンコン…
「睦月か?入れ。」
「なんですか?局長。」
「吉原の
環は机を漁り、書類を探しながら睦月に言った。
しかし、しっかりと睦月を見た瞬間、驚いた表情を浮かべた。
睦月の顔には、普段と違い、隈があるし血色もそんなにいいとは言えない。
「何だ、その顔。急に呼び出して悪い。体調が悪いなら、勿論、休んでて構わん。」
「このくらい平気なんで。」
心配する環に、淡々と答えた睦月。
「何かあるなら、話せばいい。辛いなら、一人で抱えなければいい。また、弥生か?」
環が言うと、睦月はばつが悪そうにうつ向いた。
しばらくの沈黙。
外は雨が降ってきた様で、雨粒が窓に当たり、弾かれる音が響いた。
そんな中、睦月が暗い表情で、そっと、言葉を紡いだ。
「局長、俺は___________ 」
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夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月17日 21時