戦い済んで、日が暮れて。2章【血塗られし彼岸花本編】【銀魂】 (ページ11)

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本当は、【檸檬】ページ11

遼太郎「自我が…戻ったのか…！！？
そんな馬鹿な、自力で戻れるはずがない。
ハーフの俺らは一度覚醒したら自我を戻すまでに1週間はかかるはず…。」

神威「皆の声が届いちゃった…みたいなやつじゃない？」

神威はそう言ってニコ、と笑い、遼太郎のこめかみに銃を放った。

至近距離からの射撃だったため、目まで到達しているかもしれない。

遼太郎「ぐっ…。か、む…いなぜ……」

神威「なぜ？君の目的は妹の目だろ？
でも妹は自我が戻ってもう君の思い通りには
ならない。ならもう君もいらないよね？」

遼太郎「はっ……まじ、かよ……。聞いてねぇよ……。」

怜南「あ、にうえ………！」

自我が戻ってもなお怜南は這いつくばりながら
遼太郎のもとへ行こうとしていた。

危険だから離れろ、そう睦月が言おうとするが
遼太郎は黙って怜南の様子を見ていた。

その目にはうっすらと涙が浮かんでいるように
見える。

遼太郎「今更こんなこと言っても…。
お前は俺を許さないだろうな………。

俺の…ただ…は母さんを、生き返らせたかった…。
その為には、淡雨の…目が必要だった…。
だが俺らはハーフ…。完全な淡雨族の目じゃないと、どうやら母さんには合わないらしい…。俺は……雨雫を使って…覚醒して…自我を取り戻したあと…右目を母さんに捧げた。」

遼太郎は右目の眼帯を外した。

眼帯の下には縦に傷の入った瞼があった。

遼太郎「でも…ニンゲンが輸血するときに起きる拒絶反応のようなことが…起こった。
俺はニンゲンの血の方が…強い、から…覚醒した状態でも、ダメらしい……。
そこで天人の血の方が強い…お前を狙った…。

俺の右目は春雨に提供したよ…。
その代わりに協力を依頼した………。」

怜南「………。」

遼太郎「父さんはニンゲンだから…生き返らせることはできねぇ、けど……。
俺はまたあの頃のように暮らしたかった…。
なのに俺はお前の目を…取ろうとした……。

アイツの言う通りだよ……俺兄貴失格だ…。

兄貴なんて…言っちゃいけねぇ……。

ごめんなぁ………怜南………。」