愛されメイドの備忘録 (ページ40)

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「あの…」

『もっと早く帰ってこいよ…』

「ご、ごめんなさい！」

『そんなんAに言うても無理なことやろ』

『なら俺と居ろ』

横山さんは私の方を向くとテーブルの下で私の手を握った。

「わ…分かりました！」

『ん…』

横山さんの女性嫌いが更に増している事を確認すれば、満足したように手を離した横山さんはハンバーガーに手を伸ばす。

『美味そう』

『せやな…いただきます』

2人が豪快に噛み付くと同時に出た言葉。

『『美味ぁ！』』

「ですよね！？本当に美味しいんですここのハンバーガー！」

『これ…家でも食べたい』

「近くの店舗を確認しておきます！」

『会社の奴らにも食わせたいなぁ』

「多分…食べたことがある方がほとんどだと思いますけど…」

『そうなん？なんや皆教えてくれたらええのになぁ…』

横山さんと村上さんは気に入ったようでペロリと食べ終えてしまった。

私も2人に見つめられながら食べ終えると口を拭く。

『ほんまに美味そうに食べるよな』

「だって本当に美味しいんですもん」

『癒されるわ』

「見すぎですけど…あ！」

『なんや？』

私は今がチャンスだと思いゆっくりと立ち上がった。

『何？いきなり』

「少しだけここで待っててもらってもいいですか？」

『別にえ…』

『嫌』

横山さんは立ち上がった私の腕を掴むと私を見上げた。

「お手洗いに行きたいだけです…」

『じゃあ俺らそこの雑貨屋に居るから行ってき。ほらヨコ、行くで！』

『は…ちょ…何すんねん…』

村上さんは私の肩に手を置くと、横山さんを無理矢理お店の方へと連れて行った。