表情・青 ページ31
「甘めの珈琲とケーキ…っと」
私はトレイに乗せた2つを持つと青い色のドアを叩いた。
「失礼します」
静かな部屋に足を踏み入れると、散らかったテーブルを少し片付けてトレイを置いた。
「安田さんお持ちしましたよ……安田さん!?」
いつも座ってる椅子の下に倒れ込む安田さんの姿が目に入った。
すぐさま駆け寄ると息が荒く汗をかいて身体全体が熱くなっていた。
「安田さん!大丈夫ですか?ベットに移動しましょ?」
腕を自分の肩にかけて立たせるとベットに寝かせ、すぐに救急箱を取りに向かうとすれば力強く腕を掴まれた。
『行かんで…』
「え…?」
『メイドが傍に居れば…すぐ治る』
「そんなこと無いです!しっかり薬飲んで…」
『ええから…傍に居ってや…』
弱々しい声で私を見上げる安田さんは私の腕を引くとベットに座らせる。
「安田さん…どうして具合悪くなったらすぐに言わないんですか…?」
『自分の身体は自分で治せる…やろ…』
「だからって現に倒れてるじゃないですか…!」
『ははっ…なんでメイドが泣きそうになってんねん』
安田さんは腕から手を離し、涙を拭う私の手を優しく握りしめた。
「だって…」
『集中し過ぎると身体が限界になって、こうやってたまにパンクしてまうねん』
「そんな…」
『メイドはほんまに優しさの塊やなぁ…』
口角を緩めた安田さんはゆっくり瞳を閉じると規則正しく寝息を立て始める。
私は安田さんの手を離させると、ちゃんと布団を掛けてあげた。
「しっかり休んでください…」
静かに部屋を出ると私はすぐに薬やタオルを用意する。
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作者名:夜 | 作成日時:2021年11月10日 20時