子供大人

32話　いつもなら ページ34

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いつもの私ならこんな事、他人に絶対言わなかったのに


青い監獄(ブルーロック)に来てまだ一週間しか経っていないけど、この場所は今迄いた場所よりも居心地が良いのは確か。理由は考えたけどあまり分からない。１日中動きっぱなしだからか、皆サッカーにしか興味がないからか、将又はそれ以外か




『でもそれは私が医者になる事を完全な前提として言ってるから、もし医者にならなかったら絶対やばい。私殺されるんじゃね？それか親発狂して死ぬか』





ははは、と本人は笑っているが実はかなり笑い事じゃないのだ。そんな状況下の中で過ごしていたなんて、毎日プレッシャーが酷かっただろう





國「ならいつも顔色が悪いのもその影響か」


『多分。マジ寝る時間なくてやばいし。わんちゃんこの中で野垂れ死ぬかも』


國「それだけは辞めてくれ」





そこで潔は初日に感じたあの違和感について、心の中で納得した。日々蓄積されている疲労が全く取れていないのだと。彼女の家庭環境については全く知らないが、恐らく放任。放任の癖に変な圧力だけが掛かり続け、毎日寝る間を削って猛勉強に励んでいるのだろう


鬼才だの神童だのとやかく言われている彼女も、結局は自分達と同じ人間らしい。記憶力や理解力、その他がかなり優れているだけで、自分達と同じように勉強をしないと身に付かない



斗亜の事をニュースで見る度、彼女は何らかのかなり難しそうな資格を最年少で取得していたり、なんか凄く難しそうな大会に出場して優勝をもぎ取っていたり。とある日は海外のどこかにあるかなり賢い大学の大学教授と一対一の対面で議論をし合ったと報道していたり、とある日は日本のバラエティ番組に出演する為だけに帰国したとの報道があったり


思い返せば中々に鬼畜の所業だ。そりゃ顔色も悪くなるし隈も酷くなる。しかもよくよく考えてみれば彼女は自分達の一個下。つい最近まで中学生だったのだ、自分だったら明らかに発狂して過労死しているかもしれない、と潔は思う





『まぁここにいる間は全力で働くからさ。なんかあったらすぐ言ってよ、大抵の事はなんとか出来ると思うから』





怪我や体調不良は勿論、トレーニング機材の故障や要望とか。精神的なカウンセリングも、多分出来る筈。あまり向いてないと思うけど





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