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「うーん・・・」
「華澄くん?どうしたの?」
「何でも無い。入ろ」
「あ、ああ、うん」


学校に行き、随分と人数が減った教室で授業を受けた。昨日まで自分の事しか考えていなかったからクラスの雰囲気にも気付かなかったが、クラスの連中は俺から微妙に距離を取っていた

それは元からあった距離が少し広がったような感じだ

別に気にしては無いのだが、時々こちらを見てコソコソと話すのは止めてほしい。視界に入ると割りと目障りである

授業を終えて、終わりの挨拶をして、学校が終わりを告げる。溜め息を吐いて立ち上がり、ランドセルを背負って教室から出た


「あれ、哀ちゃん?」


下駄箱に行くと俺の靴箱の所に哀ちゃんがいた


「やっと来たわね」
「待っててくれたんだ。ありがと。それで、どうかした?」
「昴さんが貴方を連れて帰って来いって言ったから、待ってたの」
「昴くんが?何の用事だろ。哀ちゃんは知ってる?」


訊くと哀ちゃんは首を横に振った


「今からでも大丈夫かしら?」
「うん、大丈夫。女の子からの誘いは断るなって母さんに言われてるし」
「何それ。まぁ良いわ、行きましょ」


哀ちゃんと共に昴くんの住む家まで帰った。哀ちゃんとは博士の家で別れて、インターホンを鳴らした


「昴くーん。俺が来たー」


インターホンに向かってそう言うとすぐに切れて、ドアが開いた


「待ってましたよ」
「急な用事?」
「取り敢えず、中に入りましょうか」
「分かった」


家の中に入れてもらい、昴くんの話を聞く事にした


「どうかした?」
「少し訊きたいのですが、Aくんのお父さんは警察の方でしたよね?」
「そうだけど・・・それがどうしたの?」
「いえ、どのぐらいの方なのかを訊きたくて」


どうやら昴くんは俺の父さんが警察で、どのぐらい偉いのかが気になったようで、俺に訊いて来たらしい


「俺もそれは知らないよ。父さんには秘密が多いから。母さんも同じように仕事の事はほとんど話してくれなかったし」


母さんが警察官だった事を知ったのは、最近の事だ


「・・・それもそうですね。子供に話すような事でも無いですからね」
「子供で悪かったな」
「すみません」
「怒ってないけどさ・・・。でも、どうして父さんの事を?病院で話さなかった?」


昴くんは俺が入院した時に何度か父さん達に会っているはずだった

しかし、病院に来た父さん達には事件の事を詳しく話しただけで、父さん達が一方的に会話を進めて、聞くだけ聞いて病院から出て行ったという話だ

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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時

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