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「・・・他人の為に自分を犠牲にしようとするような心を持つAくんは本当に優しい警察官になれますよ」
透くんはそう言って弱く笑った
「俺は別に、」
「良いんですよ。今回の事は痛み分けにしましょうか。そうすれば、深く考えなくて済むでしょう?」
前の事を透くんは今でも気にしていてくれているようで、それで無かった事にしようという話になった。俺は透くんと仲良くしていたいので、それに頷いた
「では、今日も寄って行きますか?」
「ううん。今日は昴くんの家に行くから止めとく」
「そうですか。ではまた」
「また」
透くんはポアロの中に入って行き、俺は昴くんの家を目指した。昴くんにも謝っておかないといけない。あと、これからは二人の事に関わらないようにする事を言っておこう
「昴くん、ごめん。昨日は」
「気にしないでください」
「今後は関わらないようにするから、安心して」
「この事に関しては、そうしてもらえるとありがたいです」
「うん、ごめんね。あ、でも、仲良くなったら言ってよ!!」
そう言うと昴くんは笑って頷いた
「そう言えば、安室さんはAくんが小学生だと知っているんですか?」
「それは、分からないな・・・。透くんは何度も母さん達に会ってるから知ってるんじゃないかな」
俺から小学生だとは言っていないけど、透くんなら知っていると思った
「それに前から母さん達の事も知ってるみたいだから、俺の存在も元から知ってるとか?」
「確かにあり得ますね」
「よく分からないけど」
透くんの事は深くまで知らない。というより、友達というのは本来そういうものだろう。知っている事もあれば、知らない事も沢山ある
近過ぎず、遠過ぎない距離が友達だ
今回は俺が近付き過ぎた
「今度、俺から訊いておこうか?」
「あ、いえ、私の方から訊いておきますので、大丈夫ですよ」
「そう?じゃあ、お願い」
俺から訊いても良かったのだが、昴くんと透くんが話す機会を潰したくは無かったので、お願いする事にした
「そうだ。料理の練習、最近してないような気がするけど、昴くんはしてる?」
「Aくんと一緒にしようと思って」
「そうなんだ!!ありがと。もう少しで治ると思うから待ってて」
昴くんにお願いすると笑って返された
「今度、昴くんともどこかに行きたいな」
「良いですね」
「江戸川も連れてく?」
「子供達がいた方が賑やかで楽しいでしょうしね」
哀ちゃんが来てくれるかどうかが心配だったけど、昴くんと江戸川、少年探偵団を含めた皆で遊びに行く約束をした
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時